表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不可侵少女は触れ合いたい  作者: こみやし
03.騎士と悪役の再出発

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/27

03-07.あっさり解決?


「本当なんですぅ! 信じてくださぁい!」



 くらえ! うるうる攻撃だぁ!


 説明しよう! うるうる攻撃とは!


『瞳をうるうるさせるだけなのだわ。説明するまでもないのだわ』


 ボケ潰しはダメだってば!


『真面目にやるのだわ!!』


 はい。ごめんなさい。



「嬢ちゃんよぉ。あんたとんでもねえことしてくれたなぁ」


 ここはカツ丼でも出てきそうな取調室。


 正面に座るのはうだつの上がらない雰囲気のトレンチコートおじさん……なんてことはなく、普通にちょっと不良な感じの衛兵さんだ。うだつが上がらないのは間違いなさそうだけど。いやいや。こんなでも隊長格ではあるのだろう。そういう人が出てくる案件っぽいし。どうやら。



「あの積荷はここの領主様のもんでなぁ。そらぁもう楽しみにしてらしたのよぉ」


「領主様はロリコンなの?」


「そら~もう。中でも魔族っ子にゃぁ目が無くてよう」


「私も狙われちゃう?」


「いや。範囲外だ」


「ならユーキちゃんも大丈夫だよね!」


「まあ~……な」


「大丈夫だよね!?」


「今んとこはなぁ~」


「ちゃんと守ってあげてよ! 男でしょ!」


「お、おう……おめえさん、自分の立場わかってんのか?」


「強盗殺人犯!」


「えばって言うこっちゃねえだろうが!!」


 ガチ説教だ。



「だいたいおめえはよぉ!」


 あかん……こんなことしてる場合じゃないのに……。



「だって! 先に襲ってきたのは向こうだよ!」


「それはそれだ! 信じてはやるがな!」


 優しい。



「言ってんだろ! 問題は貴族の品に手を出したことだってな!」


「なら私が身代わりになる! だからここから出して!」


「おめえじゃ興味持たれねえとも言ったろうが!」


「コスプレでもなんでもするからぁ!」


「こす? なんじゃそら」


「変装! 私が魔族の格好して乗り込む!」


「……暗殺でもする気か?」


「うん!」


「あほかぁ!!」


 平行線だぁ。




----------------------




 牢に入れられて何日が経っただろう。


 残念ながら二人とは別室だ。騎士様とは隣部屋だから話も出来るけど、ユーキちゃんはだいぶ離れたところに隔離されている。ティアが様子を見ていてくれているから、今すぐ処刑されたりってこともないようだけど。


 どころか私たちより丁重に扱われているっぽい。領主がやっぱ欲しいって言い出したら引き渡さなきゃだからね。



 このナズナちゃんの話術を以ってしても、衛兵たちの籠絡は進んでいない。私の無敵パワーも鉄格子の前では無力だ。


 もちろんトリスティアに替わればどうとでもなるのだろうけど。ただそれをやると、最悪騎士様たちともお別れだ。


 だからどうにか自力で脱出したいところだ。




「奴を呼べ」


「ダメだってば」


 まったく。何を言い出すかと思えば。



「騎士様って一貫性が無いよね。私に誰も殺すなって言うくせに、自分はあっさりと斬り捨てるし」


 ここで私がトリスティアに替われば、罪もない衛兵さんたちに犠牲が出る。そんなの許される筈がない。彼らはこれまで私を捕らえてきた悪人たちとは違うんだから。



「ユーキが死ぬぞ」


「それはさせない。もちろん騎士様だって殺させないよ」


「お前に何が出来る」


「話し合い」


「通用してないだろうが」


「そうだね」


「待っても好転はせんぞ」


「そうでもないよ」


 きっとティアが何か見つけ出してくれるだろうし。



「何かを探っているのか?」


「うん。弱みでも握れないかなって」


「……執務室を探せ」


「どんな資料があればいい?」


「帳簿だ。報告書の控えと照らし合わせろ」


「わかった。ありがとう、騎士様」


「ふん」


 ふふ♪




----------------------




「……おめえさん……それどうやって」


「ふっふっふ~♪ 私を甘く見ないことだね♪ 牢屋に居たってチョチョイのちょいさ♪」


「……釈放だぁ」


 話がわかるねぇ♪



「いいか! 絶対墓まで持ってけよ! でなきゃ掘り起こしてもっぺん殺してやっからなぁ!」


「おじさんこそ程々にね。家族もいるんだから」


「くっ! 散々良くしてやったろうが!」


「だから何も言わないってば。本当に感謝してるんだよ」


「その結果がこれか! とんだ悪魔だなぁ!!」


「大丈夫♪ ナズナちゃん硬いから♪」


「絶対捕まんじゃねえぞ!」


「捕まっても言わないって♪」


「そういう問題じゃねえんだよ! さっさと行け! 二度と来んじゃねえぞ!」


「ありがとう♪ 隊長さん♪」


 裏口からこっそりと抜け出す私たち。


 そのまま無事に町を脱出し、魔族領へ向けて歩き出した。




----------------------




 次回予告♪


 衛兵隊長を脅して無事に逃げ出した私たち♪


 これで罪も有耶無耶に?


 もちろんそんなわけないですよねぇ~……。


 そんなこともつゆ知らず。堂々と街道を歩いていると、背後から追手が迫って来た!?


 どうやら領主の差し金みたい。


 慌てて森に逃げ込んだものの、ここにはおっかない魔女が住むとかで……。


 前門の魔女! 後門の追手!


 ナズナちゃん大ピンチ!? いつものやつだぁ!


 騎士様とユーキちゃんの活躍に乞うご期待♪


 また見てね♪ ばいば~い♪



『さっきから何を言ってるのだわ? やっぱりストレスが溜まってるのだわ? 牢獄生活は堪えたのだわ?』


 やっぱりさ。行く先々でこういう目に合うとね。心の一つや二つ病んで当然だよね。


『そうは見えないのだわ』


 まるでナズナちゃんが狂人を演じているみたいな。


『逆なのだわ』


 どういう意味やねん!?


『そうやって平静を保とうとしているのだわ。実際何故か上手くいってるのだわ。不思議なのだわ』


 出た♪ 『不思議なのだわ』♪ なんだか久しぶりだね♪


『それよりどうにかするのだわ。この状況』



「きぃーひっひっひっひ♪」


 あ~……ぐつぐつ煮立ってるねぇ~……。


『熱は感じるのだわ』


 もしかして試してほしい?


『どうせトリスティアが出てくるだけなのだわ』


 だよね~。困ったね~。


 騎士様とユーキちゃん、早く気付いて助けに来てくれないかなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ