来訪者、来たり 5
(って、そんなことより質問の答え答え!)
「う〜ん……わたしのしるはんいないでは、そういうチカラをもったヒトはいなかったといいきれますね。もしかしたらチカラをもっていたヒトがいたかもしれませんが、じっさいにみたおぼえはなかったので。…でも、なんでいまマリョクのはなしを?」
「それは、今から話す内容が魔力中心の説明となる事とニイナのいた世界がこの世界の日常と共通しているものかどうかを事前に確かめてから順序だてて説明しようと思ったから、だな。そうなると…ニイナにとって魔力というものは身近なものではないという認識で合っているだろうか?」
「はい、そのとおりです」
「……そうであれば、この世界にとっての『魔力』というそのもの自体についての説明が先に必要と言うわけか…」
ふむ、と一呼吸でこちらの置かれた総合的状況を大体把握したらしいサイラスさんが「では」と腰を据えて説明をし始めてくれたので、私は不謹慎ながらもワクワクとしながらようやく話しが聞ける!と大喜びで、彼の話しに耳を傾け姿勢を正すのだった。
「この世界にとって魔力とは、日常的に持ち得ている誰もが使える普遍的な力という考えが全ての種族に一貫として共通認識と言うべきか、一般常識として広く知られている。それは持っていない者がいないと断言出来るほど当たり前のものだと言われていることをここでは知っていて欲しい。──それぞれ魔力には属性があり、種族毎に使える種類は異なっているが主に四つ。竜族は火属性、魔族は水属性、精霊族は風属性、獣族は土属性を持っている事が知られている。だが…肝心な人族の属性だけが…これも他種族に忌避感を抱かれる要因でもあるのだが、何故か今伝えた四属性のうちのどれかを持つばかりでなく二つ三つと複合属性を持つ者まで現れ始め、過去には一切血縁関係や契約関係が発生していないにもかかわらずいまだに一定多数と存在を確認され続けている。それによって、他種族たちに“同じ属性を持つ者は隷属として扱われて当然だ”と不当な境遇を強いられていたのが争乱時。今はある程度落ち着いてきたものの、また最近他種族間でキナ臭い動きが見え始めるようになった影響で複合属性の人族が狙われ始めている。……それは同じ人族も例外では無い、とつい最近確認が取れたところだ…。………ここまでで何か疑問点、或いはわからないところはあるだろうか?」
「………………………とりあえずヒトゾクのおかれたじょうきょうが、たいへんあやういたちばにたたされているのだということがよくわかりました………」
「あぁ…まぁ、そうだな。理解が早くて助かりはするのだが、くれぐれも無理はしないでくれ」
「…………はい」




