来訪者、来たり 4
「サイラスさん!…いっぱいかんがえてるところによこからこえをかけちゃってごめんなさい。サイラスさんがいっしょうけんめいわたしにはいりょしてないようをえらんでくれようとしてくれてることはつたわったから、こんどはわたしもちゃんとしっかりつたえるねっ!えっと…どんなけっかになるとしてもいまのわたしをしっかりうけとめたいから、サイラスさんにはありのままのしってることをはなしてほしいです。……だめ、かな?」
「っ………!!!!!!」
生半可な態度ではなく真剣にちゃんと話しを聞くよという思いでこちらも真摯な姿勢で臨んでみたのだが、伝えたいことを言い切っても尚サイラスさんの表情が変わらないことに若干弱気となってしまい、最後にはダメ元で確認するかのようなか細い声音となってしまった。
(だって!サイラスさんの表情がみるみる内に硬化していったって言うか、固い表情のまま緩まないものだから失敗したかなって思って咄嗟に弱気になっちゃったんだもの!!サイラスさん意外と頑固だから、意固地になる境界線がまだわからないぃいいいいいい〜!)
気安く接するのって難しい!と内心頭を抱えていた私の傍ら、サイラスさんはサイラスでだいぶ違う方向性で多大な衝撃を受けていたらしく「………お願いだから今のは絶対に!他人にはやらないように!!」と、厳重注意を受ける事となってしまい頭を捻るばかりであった。
はて、おねがいの意味とは…?
「……………分かった。このままだんまりでいても解決はしないだろうし、時をかければかけるだけ身が持たない事態に陥りそうで正直自分に自信があるとも言えない。…現状把握を正確にすることが良いとも悪いとも断言出来ない以上、ありのままを話すことしか選択肢が無さそうだ。──とは言え、ニイナを苦しませるのは本意では無い。話しを聞いて無理だと思ったのならば、すぐにでも声を遮ってくれ」
「さ…っ!?え…と、はい!!」
「…少しこの世界の事も交えて話しをするから多少話しも長くとなる。立ったままでは足が疲れてしまうから、隣りに」
「すいませんでした!もとのいちにもどりまーーす!!!」
「………………………そうか」
(間が長いよっ!サイラスさん!!そんなに露骨にがっくししないでっ!!!)
目に見えてがっかりとしている姿に、どれだけ子ども好きなんだっ!と胸中でツッコミの嵐を降らせたのだが座る体勢を整えると、話しを聞く用意が出来たと思われたのかサイラスさんはおもむろに、始めは私の居た地球について二三質問を投げ掛けてきたのだった。
「…時に、ニイナの世界では魔力というものは存在しているのだろうか?」
「いえ!わたしのせかいではものがたりのなかのものというか、そうぞうじょうのせかいでのチカラといういみあいでげんじつにつかえることはないものとしてにんしきしています。むこうのせかいではたぶん、しゅるいというかちからのなかみやつかいかたもまったくちがうものだとおもうんですが、レーカンとかレイリョクとかダイロッカンっていうめにはみえないフシギなちからのことをかんかくとしてにんしきしているひとたちがいました」
「そうか、ではそういった力で物や生物など現実的に実際に働きかけることはできると?」
「……どうでしょう…?」
ううむ、難しい質問がきたー。
テレビでは心霊現象など夏の時期は特に特番として放映されてはいるのだが(当然私は怖いので見ない)あれを発見した当人がやっているのかと言えば否と言わざるを得ないと思う。
そもそも生まれてからこのかた幽霊を見た覚えさえも無ければ知り合いにいたという記憶すらない。
本当に平々凡々な生活をしてきたのだと思っている内に、ほんとーに何で!こちらの世界に転生することに選ばれたのか、不思議に思えて仕方がなかった。




