来訪者、来たり 2
ちらちらと会話の端々に滲み出ていた私の外見に対して、どうもサイラスさんの声音にハデな色以外にも違う意味合いが見え隠れするように感じられたので、この際有耶無耶した疑問もすっきり取っ払ってしまおうと思い有言実行するべく、私はサイラスさんが悩み中にもかかわらず説明のキッカケとなるよう大胆にも直球の質問を投げ掛けるのだった。
「あの、サイラスさん。さきにきいておきたいことがあるのですが、しょうじきにいってわたしのすがたをひとのめにさらすとこどもであることいがいになにかマズイことがあるんでしょうか?」
「………それは…」
「ご主人がこんなに可愛い姿となった以外に注目されるだろう理由は何なのさ?さっきからぶつくさ口ごもっていないで、ご主人にもわかるように説明することだね」
「ぐ……いや、そうなんだが…」
「お前…ご主人に隠し事をするのか?」
「いや、そういうわけでは…!!」
「こら!にひきともケンカごしにつめよるようなタイドをとらないのっ!!サイラスさんはせつめいがめんどうでもかくしたいわけでもなく、わたしをきづかってなやんでくれてるだけなんだから、そんなにせかしてこまらせないのっ」
「「はーい」」
「…ありがとうニイナ、本気で助かった…」
「あ、いえ。サイラスさんにはごめいわくをおかけします」
申し訳ない気持ちを込めてお詫びを口に頭を下げようとすれば待ったをかけられ、逆に自分の鍛練がまだまだ足りないせいだ、すまないと謝られてしまった。
(一体どゆこと…?)
が、正直二匹が詰め寄ったこととサイラスさんの鍛練が足りない事がイコールで結び付かない私はよくわからなかったので、勝手に、二匹ともにこちらでは体が大きくなったのでサイラスさんは迫力に押されてしまったのだろうと想像で推測し、まだちょっとケンカをするにはお互い他人行儀な面もあるんだなーとのんきに思ってしまったのだが、よくよく考えてみればお互い知り合ってまだ数日も経っていない間柄なので戸惑うのは当然の反応なのだと猛省すべき自身に気が付き、自分たちは地球の頃からの付き合いだがサイラスさんは初見なのだからと、これからは進んで仲介役を買って出ようとひそかに決意表明をしておくのだった。
(ああー反省…!確かに初見でこの二匹の大きさはビックリするし近寄ったら、まぁ、戸惑うよね。もう慣れたけど、私も最初にびっくりしちゃったもの…。でも気持ちはわかるけど、徐々にキラとハクロウとで接していってサイラスさんにも慣れていってほしいなぁ)
親バカと言うなかれ。
大きくなっても可愛い子はかわいいものなのだ。ましてやそれが前世からの家族であれば尚更のこと、今世で初めて出来た知り合い…というよりは仲間と言っていいだろうか。とにかく、知り合った間柄通し仲良くして欲しいと思ってしまうのは平和主義な小心者故のサガだと思いたい。
けっして、他人行儀な姿に寂しいと感じてしまっているわけではなく。
(だって、この世界でサイラスさんは初めての知り合いで親身になってくれるご近所さんみたいな存在だもの。家族ごと一緒に親しくなってもらいたいって思うのも、変なことじゃないよね?)
胸の内で悶々とした気分を抱えながら必死に誰とも無しに弁解の余地を呟く私に、キラがじっと丸い目で見つめ続けていたことはついぞ気付くことはなかった。




