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私と神様は相性が悪い  作者: 壱花
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72.先生に相談



「それで?さっきのは何だ?」

キヨたちがいる空き教室に入り、三井先生は口を開いた。

さっきのとはモモが付いた嘘のことだろう。

それを道中訪ねてこなかったのは、誰かに聞かれてはまずい何か相談があるのだろうと先生はあたりを付けていたようだ。


モモはちらっと私を見たが、私から話すつもりはない。

だから私は私でレオを見た。

それが何を意味しているか察しってくれたレオは頷き、一度先生に頭を下げてから今回のことを話し始めた。




「…異界開門。これについて知っているのはこのメンバーだけか?」

モモに向かって聞いたのは誰かにというよりは、アカヤにこのことを話したかと聞きたいのだろう。

さっきのやり取りでおそらくは知らないだろうと分かっているのに先生はあえてきつめに、強い言葉で聞いた。


「話してません!他には、誰も!」


慌てて否定するモモに先生は頷き。

それからどうした者かと分かりやすく天を仰いだ。



「異界について知っていることは?」

尋問と呼ぶにはだいぶ緩やかな問いだった。

見た目は厳しそうな三井先生は思いのほか生徒思いなのか、それとも突然のことに戸惑っているのか。


「(でなければキヨがいる場で異界についてこんなにもあっさり口を割るとは思えない。)」


少なくとも先生はキヨが結実と繋がっているとは思っていない様だ。


「(直毛羨ましい。朝セットするのも簡単だろうな。)」


レオと先生のやり取りをぼんやりと見ながら、私はどうでもいいことを考えていた。


原作に登場しない先生。

目の前の人は今日までこの世界でどうやって生きてきたのだろう。そして原作での背景でどのような動きをしていたのか。

考えたって仕方がないから、ただ自分の目で見たものだけで判断するしかない。


「(少なくともレオは信頼できると言っていた。)」


それが信じるに値するのかは分からない。

でも他に判断材料がない。


担任の三浦先生はセージに能力を奪われる人。設楽先生は黒幕説が残っている。

火神先生は実力は申し分ないものの、頼りになるかと言われれば少し困る。

残されたのは原作の登場しない花村先生と三井先生だけ。



隙の無いきちっとした服装に姿勢。規則に厳しく違反者には罰則を。

問題行動が多いアカヤがいるせいか、先生はいつも眉間にしわを寄せいている印象で、『堅物真面目人間』なんてアカヤは呼んでいたが先生としていの行動としては間違っていない。



「(どうか吉と出ますように。)」







「正直なところモモの見た夢以外に手掛かりはありません。物的証拠もない。だからこれは先生が胸の内にしまうか他の先生方と共有するかそちらで判断してください。」


レオが大人びた口調で先生と会話をしていると、社会人同士の会話に聞こええるから面白い。


「少し時間をくれ。…だが、必ず返答できるとも限らない。」


先生のその言葉は何よりもこのことを真摯に受け取ってくれたように聞こえた。

だから私たちは何も言わず先生に託すという形で少しばかり肩の荷が下りた。




明日からどうするか。

セージを監視するべきか。

何て会話をしてその日はお開きとなった。



その晩、アカヤと森林コンビと呼ばれる二人。

前回職員室に侵入したメンバーが再び夜の職員室に侵入したのはその夜のうちに知れた。

前回の反省からなのか、過剰というよりはアカヤを想定し仕掛けられてあっただろう防犯魔法に彼ら3人は見事に引っかかり校内中けたたましい音と叫び声をとどろかせた。


私は見に行かなかったが、モモが騒ぎを聞きつけ見に行けばミノムシのように何かに巻かれて逆さ刷りにされた自身の片割れを目にしてため息をついたようだ。




「だから言わなかったのに。」

あの時、咄嗟に嘘をついたモモにアカヤの無鉄砲な行動が予測できたのだろう。

「わざわざ先生の前で言ったのに、もう本当馬鹿…」

呆れを通り越し、疲れ切っているモモはいつものような笑顔がない。


窃盗事件に加え月末はクラス分けの試験がある。

そんな時期に起きた侵入事件、以前は厳重注意で済んだものの今回はしっかりと減点が付いた。



「でもよかったじゃん。それですんで。」

そういうのはスミレちゃんでこの言葉に私も思わずうなずいてしまう。

「もし夢のことを話してセージに突撃していたと思うとちょっとぞっとするじゃん。」

それはそれで私は構わなかったが、あまり得られるものもなさそうだ。


「昨日先生に話した時、セージの異能について先生も驚いていたから先生たちも気づいていなかったのだろう。…つまり精神干渉又は記憶操作の可能性が高い。下手なことを言って魔法をかけられていたらと思うと確かに危険だった。」


だからこのくらいで住んで良かった、が私たちの意見だ。

ただ双子の片割れであるモモからすれば、アカヤのこれまでの行動はただただ頭が痛くなるばかりだという。



「双子だからってモモが気にすることじゃないと思う。」

キヨのこの言葉に彼とアカヤの袂は本当に別れたのだと知った。


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