①本文抜粋 結城赤也
『アカヤとモモは生まれたときから不思議な力があった。
双子のテレパシーはいたずらをするにはうってつけの能力だ。
なぜその力を母親は気づいたのか、二人は不思議だったが母親はかたくなに二人の力をかくすように言った。
アカヤそんな母親が少しだけうとましかった。
テレパシーの他にも二人は少しだけものを浮かせることや、怪我を治すことができた。
友達が転んだ時にその力をつかって治してあげたり、物を浮かせおどろかせたりしたかったのだ。』
『母親が亡くなった時、アカヤは後悔した。うとましいと思ったものの、本当にいなくなってほしかったわけではない。もしかしたらこの不思議な力が母親の命をうばってしまったのではないかという恐怖もあった。』
『普通だけど普通じゃなかった。
部活紹介を見ながら繰り出される魔法はアカヤが使える小さなものではなくもっと大きな特別な何かに見えた。自分もいずれあんな風に力を使うことができるのだろうかとアカヤはワクワクした気持ちがおさええられなかった。』
『そこに何かが隠されているのは明白だった。アカヤはモモとのテレパシーを使いながら辺りをうかがい扉の向こうを見た。もし先生にばれたらここが入っちゃいけに場所だって忘れていたって言おう。まだ入学したばかりだ、多少の間違いはあるだろうとアカヤは言い訳を浮かべながら先に進んだ。』
『アカヤは再び後悔した。心のどかで強大な敵が現れればいいのにと思っていたからだ。敵が現れればこの力を思う存分使うことができる。そんな単純な気持ちだった。
母親の死もキヨがあちら側に行ってしまったことも、アカヤの力によるものではない。それは分かっている。
でもどうしようもないほどの後悔がアカヤの中でうごめいた。』




