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私と神様は相性が悪い  作者: 壱花
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8.主人公について2



あー、やだやだと主人公その1(アカヤ)について考えていた私はその双子の妹桃花(トウカ)、愛称モモの方へ思考をやる。


彼女は結構空回りをする性質だったが一貫して素直でまっすぐで一生懸命だった。

共感できるかと聞かれれば首を横に振るが、彼女は物語の一種の清涼剤のような存在で暗く重い場面でも変わらぬ明るさが周囲にも読者にも救いとなった。


よく笑い、泣き、怒り、感情豊かに生きている彼女は愛すべきおバカなキャラクター。


頭のいい兄と比べ記憶力もあまりよくなく、よくミスもするし場の空気も読まない。でも彼女の発言は決して人を傷つけるものではないし、自らの失敗はすぐに己で挽回するそんな気持ちのいい子だ。

少々勢いがよすぎるように見えるものの、彼女の言動は物事を考えすぎる私にとってははっとさせられるようなことも多く、事実それが彼女の強みでもあった。


力isパワー発言はどうかと思うが、素直だからこそ物事の本質が見えていることもあった。


物語の中だから一卵性の男女の双子という珍しいケースで、アカヤとモモは背格好もよく似ていたし、顔も瓜二つだと表記されていた。

何度も間違えられることが嫌で、小学生の時からモモは髪を伸ばし二つ結びにしている。

アカヤから言わせるとそこぐらいしか女の子らしいところがないそうだが、そんなモモにキヨは一目ぼれをしたのだからきっとかわいいのだと思う。


(アカヤとそっくりという所は気に食わないけれど…。)


本の中ならば顔が見えないから深く考えなかったが、実物が目の前に現れたときあまり好きではない人とそっくりな女の子と私は仲良くできるだろうか、そんな不安はあった。

積極的に仲良くするつもりはないけれど、20人のクラス、そのうち女の子は半分以下なのだから必然と話す機会は多くなるだろう。

変に避けると面倒な人(アカヤ)が首を突っ込んできかねない。

ほどほどが大事だと私は心に刻む。







モモの能力はテレパシー。当初双子特有の力だと思われていたが、これはモモ個人の能力であり、双子だから通じやすいというだけで他の人にもテレパシーを飛ばすことが可能だとのちに知ることになる。


この時、アカヤにはもう一つの能力があり自分は二つの力を操れる特別な存在だと思っていた鼻っ柱を折られることになったのはとてもいいシーンだった。

幼少期より能力が発現し使えていたのは二人ではなくモモの方だったのだ。

双子だから思考回路も似ていたのか、幼少期に能力で物を浮かせたり、傷を治すことなども実際はモモが行ったことではあったが、頭の中でそれを願ったのはアカヤも同じだったのだろう。この事実が分かるまでアカヤは自分の能力だと微塵も疑っていなかったのだ。

いつまでもその能力(テレパシー)しか使えないモモを見下す、とはさすがに書かれていなかったが二つの能力を使えることにアカヤは優越感を覚えていたことは書かれていた。


(…痛く、ないわね。)


虎の威を借りていたことに気づいたあのシーンを私は何度も読み返した。なんてことを思いながら、痛むはずの頭が痛くないことにあの約束はきちんと果たされていたのだと再び実感した。


ならばこの一時間で出来る限りの考察をしてしまおうと私は急ぐ。



モモの能力はテレパシー。このことからわかるように、魔法学校と名は付いているが使っている力の中に超能力が入ってきたりもしていた。

モモは完全なる超感覚的知覚に優れた力の持ち主で、理性より本能で動くことも彼女ならば結果が付いてくる。この後、モモには予知能力などもあることが分かり、特殊能力としては兄よりも優れていることが分かる。


(ざまーみろ)


そう言えばアカヤの能力については語っていなかったが、彼は入学してから基礎魔法の授業でまず五行の力を操り(これは全員がそれなりに使えるようになる能力)、特に『火』を操ることに長け、そこからサイコキネシスいわゆる念力の能力が開花。

彼は静止した物体に影響を与える力(スプーン曲げ的な)があり、ろうそくの炎を増幅したのち叩きつけることが可能となった。ただこの能力、日常生活においてさほど使う場がなく、結果としてアカヤの望みである強大な敵が現れればいいのにという思いも、この力を使いたいという思いの表れではないかと私だけではなく多くの読者が考察した。



話はそれたが、日常的に能力を使えるモモと最終巻近くのバトルでしか自分の能力が使えないアカヤの対比が私は割と好きだったがため最後まで読むことができたのかもしれない。



モモの「やってやれないことはない!」「私と比べることに意味があるの?」は純粋にすごい言葉だと思うし、神様の言う悪意を持った意味で言うのならアカヤの胸にザクザク刺さるセリフで私は愉快だった。


「まぁ、何とかなるか」「アカヤが何とかしてくれる」と言ったセリフは兄と同様、他力本願かつ楽観的な感じはするものの、彼女は本能でそれが大丈夫と分かっているからの発言と思えば、これは楽観的ではなく事実と言うことになる。


「やっちまった」というセリフが多く、それは能力で避けられなかったのという感想もよく見られたが、常にその能力が発揮されるわけではないのだろう。そうでないと彼女が世界において絶対的な勝者となってしまう。そんなご都合主義の能力など存在しない方が私は自然に感じた。


(でも大事な場面で正しい選択ができる能力は十分勝ち組だろう)


だからこそ彼女の能力を正しく理解せず、己のプライドを取った故にアカヤはキヨを修羅の道へと走らせたのだ。




「モモちゃんとは仲良くなりたいな」


打算的にも彼女の人柄としても、仲良くなれれば私は神様の望む女の子になれるのかもしれない。


(なりたいかどうかは別として)


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