↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私と神様は相性が悪い  作者: 壱花
PR
61/207

45.初めての召喚



私が最初の召喚に選んだのは、この物語の作者と同じ国に住む作家の『妖精物語』というファンタジー小説に出てくる『ケットシー』だ。


人の言葉をしゃべり二本足で歩き、気位が高く彼(彼女?)の国では王制が敷かれていたのか、彼もまた身分の高い猫型の妖精だ。

猫と言っても犬くらいの大きさがあり、マントとブーツを着用した黒猫で胸に大きな白い模様がある。


いま私のいる『双子の魔法使い』の世界以外からの召喚という多すぎる選択肢を少しでも狭めるために、同じ国の作品ならば相性はいいかもしれないなんてふわっとした理由でケットシーを選んだ。



「(猫の姿であれば使い魔として無難だしね。)」



「やぁやぁ、私を呼ばれましたのはあなた様ですかな?」

猫だからと言われれば仕方がないが、細長い目をさらに細くして笑いながら現れた彼(?)は仰々しくヨーロッパの貴族社会における伝統的な男性のお辞儀を作法通りして私の前に現れた。







「なるほどなるほど、つまりご主人様はこれから呼び出すであろう同胞の橋渡しと、ナビゲーターを私に求めていると。」


最初の言葉を繰り返すのは彼の癖だ。

それは物語の中でも見られた言葉遣いだったが______


「(実際に聞くと余計に胡散臭い。…そもそも猫より犬派なのよね。私。)」


何て、呼び出したのは自分の癖にそんな失礼なことを考えたりしてみた。


「(でも彼以上に最初の一人にふさわしい人はいない。)」



元々ケットシーはアイルランドの伝承される猫の妖精。

その伝承を元に『妖精物語』を書いた作者は彼に様々な能力を与えた。


物語の主人公である人間の青年のパートナーとして彼は出てきた。

人間と一部妖精族との領土戦争が物語の中心で、彼ら猫の妖精たちは中立でありながら主人公によく助力していた。

物語上でもナビゲート役のような立場にいた彼は、国全土の妖精たちの性質を把握。その能力を正しく理解していた。



「ええ、私はクー・シーに用があるのだけれど彼らは人間を嫌っていたでしょ?呼び出しても大丈夫かしらって。」



クー・シーも同じ物語に登場する犬の妖精。

全身に長い暗緑色の毛を生やした牛並みに大きな犬。

妖精達の番犬とされ、人間を襲う事もある。音をたてずに滑るようにして移動し、物語上では番犬であると同時に諜報員の役目も担っていた。


私はクー・シーに盗まれたものを取ってきてもらいたいのだ。



「それはそれは。ご主人様は少しばかり勘違いをしているようです。このケットシーが私たち召喚物の正体を教えましょう。」


それはそれはわざとらしいまでに仰々しくお辞儀をしながら言葉を紡ぐ彼に私は眉を寄せた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。