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私と神様は相性が悪い  作者: 壱花
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5.アドバンテージなしの入学



19歳までの記憶が残っている中学1年生にアドバンテージはあると思うか?

この前の人生のことを覚えているが、いたって平凡な人間だった。

そして今回の人生、ここまでどう生きてきたかの記憶はない。

それでも大学生が中学生になったのだから、勉強面では有利に感じるかもしれない。でもそれだけなのだ。


この世界、正確に言うのならば魔法使いにとって勉学はさほど重要視されていない。テストの描写やクラス分けの対象はあくまで魔法のみである。

加えて、中学を卒業=魔法における義務教育終了とみなし、そこから能力を生かした仕事に就くものも多く進学する者は表世界に戻る者たちのみなのだ。

もちろん、そのまま魔法学校の四年生、表世界で言う所の高校に進む者もいるがこれは就職の決まらない者や、能力を今以上に磨きたいものであり学力が必要な物でもない。


(まぁ、この学年は半数以上が表世界に戻る選択をするのだから全くの無意味ではないだろうけど)



表世界と本にも書かれていた通り、魔法を知らない人間たちは表。魔法を操る者は裏世界の住人と書かれているが、実際はそこまではっきりと区別された環境ではない。

それに魔法のレベルや性質によりけりではあるが、魔法を使った就職というのもアイドル活動やスポーツ選手などのいわゆる選ばれた仕事に就くことも多々あった。


この世界でそれがずるいと言われることはない。

なぜならばほとんどのケースがそうだからだ。

もちろん、魔力がなくそう言った道を選ぶものもいたが大抵トップクラスや長い年月その職に就いていられるものは、魅了の魔法や肉体の強化を得意とする能力者ばかりだ。

そして能力のない者はその能力自体を知らないのだから、ずるいも何もない。

ただ能力者(相手)が魅力的で強かったそれだけが残る。

魔法を知らないものにとってはそれが普通の反応だ。







話はそれたが、おそらく私は高校3年生までつまりは原作が終わるまで物語に寄り添わなければいけない。だから大学生になる選択をしないかぎり、さほど勉学は重要視されずまた、中学生に比べれば多少早熟にみられるかもしれないが、大学生の精神なんてまだまだ子供のそれである。


大人とは多くの経験を積み、精神、金銭における自立と責任を理解し得て初めてなるものだと私は考えている。

大学1年生は授業が多くとてもバイトができる状況ではなかった。

つまり社会に出たこともないただの未成年。

そんな私のアドバンテージなどこの世界ではほとんどないことを意味していると私は判断した。



余談ではあるが、金銭的自立をし社会に出ていたとしても私は責任感がなく、また精神が成熟しきっていない人間を私は大人と認めない。

ただ年を取っただけの大人を私は大人と認めない。


なぜこんなことを言っているのかというと、この世界の大人は驚くまでに放任主義。むしろほったらかし状態。

そうしないと物語が進まないと言うことは分かっているし、この世界を物語として読んでいた当初はそんなことは気にしてもいなかったが、ここで生活する以上、それは気にすべき案件だった。


本人に任せるとは一見信頼しているように聞こえるかもしれないが、入学したばかりの子供と教師。そんな信頼関係なんてあるわけがないし、無責任な行動の結果がのちに多くの子供が死傷する結果となった。


(やり直しと言ったが、あわよくば死んでほしいと思っているかもしれない)


神様の意図が私は理解できないが、これが一番あり得そうだと私は考えた。


(否定はされたけれど)


なぜどこにでもいる普通の私が選ばれ、人生をやり直しすることになったのか?

それともこのようなケースはよくあることなのか?

ただ単に転生までの順番待ちのアトラクション?


少なくとも神様が私に何らかの加護を与え、原作終了まで守ってくれるとは思えないしする意味がない。

つまり殺しに来ているとまでは言わないが、安全はない。


それが分かっている以上、私は生き残るために自分を守るすべを身につけなければいけない。


(さすがに痛い思いも死にたくもない)




現段階、何もない私はおぼろげな原作の知識だけが頼りだ。

半年後には同学年が半分以下になる事件も起きる。それまでに何とかしてそれを逃れるすべを見つけなければならない。


呪いにより頭が締め付けられたわけではないのに頭が痛くなって、私は顔をしかめた。




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