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私と神様は相性が悪い  作者: 壱花
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33.異能と基本



それぞれが選択した(五つの中で最も向いている)属性に分かれての授業が始まった。

本来は他の学年も一緒に行われるようだったが、まだ初日ということでクラスメイトしかいない。


私はモモとキヨと一緒に水属性の場所にいた。

担当は担任である三浦先生だ。


「(水っていうより火とか荒々しい感じの方が似合いそうだけど。)」


人を見かけで判断してはいけないなと思いつつ、先生の水属性における解説を聞いた。



この授業でそれぞれの〈異能〉つまるところオリジナル魔法を発現させられるか。またどれくらい魔力を使いこなせるかで九月のクラス(レベル)分けが決まる。

そんなことは聞かされていないが、シラバスで九月にそれがあることは書かれているし勘のいい生徒ならばそのことに気づくだろう。


<異能>とは全員が発現させることができるわけではなく、作中では特別な魔法とされていたが、実際の使い手の割合は不明。

才能の有無かそれとも想像力の差か、ただスポーツ選手やアイドルなどは<異能>を使いこなせているというよりも、必要な属性の力が大きくまたコントロールに長けていると言った印象が強い。


最初に物語を読んだ頃はモモが幼いころよりテレパスが使えたり、治癒能力が使えたりしていたのに、学園に入学してから生まれた<異能>はそれらではなく、モモは複数の<異能>持ちなのかと混乱した。





「つまり前回の五行分けで三人は水属性に振られたが、他の属性が全くないと言うことではなく…って、天願も灰羽も二つ持ちだったか。二人のそれはたまたま二つの属性の力が強く、どちらを伸ばすことにしても問題がないと言うことだ。」


「それで~、基礎魔法における火は力を表し、土は発育、木は増進、金は発生、水は終息。」


これが原作でも私は引っかかった部分だ。


「他は分からなくもないんですが、水が終息っていまいちピンとこないんですが。」

思わずそう発言すれば、先生もうんうん頷く。


「その辺は微妙なんだよな。たぶん昔のお偉いさん方がそれっぽく決めただけでさ、発生して、発育し力を付けて増進、あとは終息って感じらしいけど、水は生命の源。終わりを意味するのはちょっと変だよなぁ。」


お偉いさんはこの場合、この世界の人ではなく物語の作者として、なぜそう設定づけたのか五行について何かそう書かれている資料が手元にあったのだろうかと考察サイトでもずっと疑問視されていた。



「そんな感じで火は攻撃、金は創生、木は強化、さっきのとつじつまは合わないけど、土が具現化、水が治癒って感じで今は思われてて~」


「創生と具現化は同じじゃないんですか?」


今度はキヨが質問した。

これも結構読み手次第で解釈が分かれるところだった。


完全にゼロから物を生み出す金と何かきっかけがあって初めて形作れる土。

似ているようで違う、でもなぜそれが金で土なのか。

何となくは分かるけれど、明確に説明はできなかった。


「それな~、俺も全部理解しているわけじゃないけど魔法研究職に就かないかぎり、そこは深く掘り下げなくてもいいっぽい。突き詰めていくと地球の発生まで突き詰めないといけなくなるらしい。」


私たちは微妙な顔をしたものの、そこを話し出すと先に進めなくなるのだろうととりあえず黙っていた。







「で、分かりやすいのは俺らの水の治癒だな。」

先生は気を取り直し基礎魔法について話す。


「いわゆる基礎魔法というものはある程度魔法使いなら誰でも使えて、この治癒は擦り傷ぐらいならば他の属性の奴でもコツさえ分かれば治すことができる。水だから<異能>を治癒にする必要はないが<異能>で使える治癒は結構すごいぞ!」



ある魔法使いは失われた部位を復活させることができたらしいし、またある魔法使いは体を切り開かずに内臓の疾患を治したという。


ただ<異能>というものは使い手の理想通りになるものではなく、中には傷や疾患を他人に移動させるものや、寿命を人に分け与えるものなど使い方が難しいものもあったらしい。


ある程度は考えたものになるそうだが、本人の持っている魔力量や質によって足りない部分をデメリットという形で補っているのではないかと言われているが、まだはっきりとした原因は分かっていないそうだ。



「だから~、不老不死とか無理無茶な魔法は期待しないことだ!」



ちなみに火の攻撃魔法のイメージとされたが日常的に用途がないため、火の発生。キャンプで役立つ能力だと先生は言う。


金は創生は一時的な小さい物体なら作れるだろうと言って、キャンプで飯盒を忘れたときなんかは持つだろうと言っていた。もともと金の属性持ちならば長時間大きいものの具現化も可能なようだったが、新入生で別の属性の私たちは一分間コップでも作り出せれば上々らしい。


木の強化は分かりやすく肉体の強化。早くは知りたければ足に、重いものを持ちたければ腕にと日常的に仕える能力だそうだ。スポーツ選手はこれの特化型らしい。


土の具現化はその場の自然物から何かを作り出すことが多いようで、先生はキャンプで風が強い時に土地の壁を作りそれをしのいだそうだ。


「(ほとんどがキャンプで使用って…いや、これが日常的に魔法を使うってことなの?)」



つまり幼少期から使えたモモの治癒能力は彼女の魔力量とコントロールが上手かったためできた基礎魔法の一種で、おそらくはテレパスもそのたぐいなのだろう。



「(でもテレパスは何の能力?人のエネルギーを使った土?それとも意思を強く強化した木とか?)」




「水属性でもこうやって水を発生、発育し力をこめ、攻撃っ!…することもできるわけだが、」

先生は何もない空間に水を生み出し、それを丸く整え指を振りその水の玉を勢いよくどこかへ放った。


「まぁ、今どき攻撃魔法なんて使う所ないよな。」


初めて見る分かりやすい魔法に私だけではなくモモとキヨも目を丸くし、先生の指に注視した。




改めて思う。


「(魔法ってすごい!)」





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