28.キャラ設定
気づけばここ数日で見慣れてしまった天上。
いつの間にかまた保健室に運ばれたようだ。
あれからどうなったのか、天井を眺めながら思い返してみる。
五行の組み分けは文字通り五つ。
確認できる範囲で私と同じ水を選んだのがモモとキヨの三人。
一番多かったのは木でセージとアオイ君、他クラスメイトが多数。
次いで土がスミレちゃんと多数。
水と同じく三人だったのがレオのいる金。
火はアカヤ一人だった。
この直後私は倒れているから、何か今後についてなど話が合ったかもしれないが、それは後でモモちゃんに聞くとして、キヨが水を選んでくれたことにほっとして息を大きく吐いた。
「あら、起きた?」
カーテンを開けたのは顔なじみの保険医の先生。
皆のお母さんって感じのふくよかで笑顔の絶えない安心感を与えてくれる人だ。
物語に大きくかかわってくることはなく、保険医という存在はあったが名前や容姿までは語られることはなかったため、変に身構えなくていい人。
「片頭痛もこう頻繁だと一度検査してみる?」
気にかけてくれているのだろう。そう言ってはくれるが、検査したところで何が出てくるわけもなく、私は苦笑いして流すことしかできない。
保健室を後にして自室に戻る道すがら今回のことはやってしまったなと少しばかり後悔していた。
私がこの世界に来て神様による痛みでうずくまることは数多く、倒れたのはこれで五度目だった。
それ自体は自業自得と言うか、感情をコントロールできなかった私が悪いが意識がなくなるまで痛みをよこしてくる神様もどうなんだと正直思う。
意識がなくなり倒れることが五回。
まだ学園生活が始まって一か月と少しの間にこの回数は少しばかり多かったかもしれない。
最初こそクラスのイケメンを侍らかせていると(席が近いだけ)、女子のグループから少しばかりやっかみを受けていた私だったが、今ではすっかり病弱キャラが定着し敵意を含んでいた視線はいつの間にか気遣いに変わり、日々私の体調を気にしてくれているような視線をくれるようになった。
「(望んでない…)」
正直この第三者の視線と言うものは煩わしいだけではなく、私の行動を制限させるものでこの先の物語改変への動きに支障をきたす恐れがあった。
「(とはいっても、嫌われていた場合も粗探しをされるだろうしどっちにしても監視されているような気分だわ。)」
特に気を使わせているのは隣の席のアオイ君と女子二人。
アオイ君は常にこちらを気にかけてくれて申し訳なくなるし、女子二人は休み時間は必ず私の席に来るようになった。
その延長でレオやキヨまで重い荷物を運ぶ時や、放課後自室に戻るだけの付き添いなどをしてくれるようになり今後、いらぬ誤解を生むことになったらどうしようと戦々恐々としている。
「(キャラ設定間違えた‥‥。)」
せめて元が元気な感じの子ならまだ違ったかもしれないが、なまじ敬語キャラを選んでしまったため余計虚弱さを助長している。
「(今更キャラ変は痛いよな…。)」
中二病じゃあるまいし、いや来年は中二だけれどなんて心の中で一人ツッコミを入れ、どうしようもない現状を嘆いた。




