3.この世界は
ここは私が小さいころ読んでいた児童書の世界だ。そう気づいたのは私が今『日本魔術養成学校』の入学式に参加しているからだ。
『双子の魔法使い』シリーズは国内の子供なら誰もがタイトルぐらいは知っている人気の児童書。対象年齢は小学上級から中学生ぐらいで、学校の図書館には必ず置いてあるが実際は最後まで読んだ子がどれくらいいるのかは分からない。
なんせ児童書でありながら文字が多く小さい。その上全20巻という長編であるため途中で卒業してしまった子も多いのではないだろうか?
さらに言えば後半、内容が異様に重くなる。
主人公三人組(タイトルの双子ともう一人が主人公)の一人が最終的に闇落ち展開になり、二人の前に立ちはだかるのだ。
それまでにも半数以上の同級生が大なり小なり怪我を負い、学校を辞め中に事件により亡くなった子も出てくる。
子供が読むにはだいぶヘビーではないかと思うかもしれないが、最初の頃は魔法界にやってきたばかりの双子が興味津々に色々なことに首を突っ込み、事件を解決していくほのぼのファンタジーだった。
一巻の副題は『魔法使いの友達』と言うことで3人目の主人公の紹介と学校のクラス分けまでが描かれている。
そう言えばこの作品、作者が海外の人らしく中途半端に日本と海外の文化がまじりあっている。入学式は4月なのにクラス分けは9月。夏休み前まではお試し期間としているのかもしれないが、他にも魔法と言っているが五行とか陰陽師など日本のマジカルワールド用語も随所に出てきたため色々と混乱した。
当時考察サイトもたくさんあり、五行と魔法について属性の関連付けなど色々な見解が飛び交っていたがもしかしたら深い意味はないのかもしれないとある程度大人になってから思うようになった。
(そもそも魔法、魔術、妖術という言葉が飛び交い、魔法使い、陰陽師と色々出てきた割にその違いなどは詳しく書かれていなかった。)
和洋折衷ごちゃ混ぜなカオスな感じだったから楽しいというのもあるかもしれない。
変にリアリティを求めたところで所詮創作物だ。
楽しいならそれでいっか。
ただの読者でいられたのならそれでよかっただろう。
ただの読者でいられたのならば_______




