⑥本編抜粋 湯月怜青
『なぜだ!?なぜなんだ!?僕はこんなにも努力をしているのに、なぜあいつらばかりが贔屓される。』
『レオは誠実に真面目に努力した人間が報われるとずっと思っていた。ルールを破り、好き勝手する不真面目な人間が自分よりも上に立つことがどうしても許せなかった。先生たちはS組はA組の上ではないと言っていたが、特別なクラスだと言うことは誰の目にも分かった。
単純に生まれつき魔力量が多いだけなのかもしれない。危険を伴う問題児クラスだから先生も二人ついているのかもしれない。
それでもいつだって優先されるのはA組ではなくS組なのだ。』
『レオは純粋にわからなかった。どうしてルール違反をしている彼が堂々とその場に立っているのか。
アカヤからは罪悪感などの感情は見られず、とても楽し気だ。彼にとって優先すべきことは己の好奇心のみでそれ以外のものは、とるに足らないことだとでもいうのだろうかと頭に血が上った。』
『スミレが、アオイが、同じクラスの二人はとても真面目な人柄だった。二人に何の落ち度があったというのだろうか?レオは考えた。
人間にとっての死は等しく平等で、そこに人柄は何の利にもならない。
それでもこんな最後はあんまりではないだろうか。レオは泣きたかった。泣きたかったけれど、泣いてしまったらそこで歩みを止めてしまいそうになり感情を悲しみから怒りに変えた。
こんな理不尽な世界誰が許すものかと、足に力を入れ決して膝はつかなかった。』




