19.付与された力
「忘れていたわけではない。」神様はそう言っていたが、正直どうでもよかった。
この度私は〈異能〉を無事ゲットしたことをここに報告します!
と、妙なテンションになるぐらいには浮かれていた。
貰った異能は〈召喚魔法〉という分かりやすいものだった。
この物語の中では使っている者がいなかったため、どのような場で発揮できる力かは分からないが、兎にも角にも自分にも特別な魔法が使えると分かり年甲斐もなくはしゃいだ。
見た目的には13歳なのだから許されるだろう。
神様の話だと、大量の魔力を消費する〈異能〉は私の性質上向いていないため、別次元から呼び出したものに力を使わせる方が都合がいいとのこと。
ついでに普段の授業で使うための魔力も補充できる手段を得た。
ないものはないし、いつまで待っても生まれてくるものではないらしく、他から貰うしかないようで幸いにも私の傍には無限魔力発生器のキヨがいた。
彼の魔力について物語の中では膨大な力と表記されていたが、神様が言うにはキヨは毎日大量の魔力を生み出しそれをストックしている状態だとういう。
最終章に近づくにつれ体調が悪そうだったのは、自分の立場に気づきストレスからくる体調不良だっただけじゃなく、処理しきれない魔力に押しつぶされようとしていたなんて設定知らなかった。
(いや、そう言う仮説を立てていた人もいたか。)
顔も知らない相手に私は勝手に拍手を送りつつ、物語に書かれている部分だけで彼らはできているわけではないもんなと改めて思った。
一日一回、彼の傍に行き目を合わせて挨拶する。それだけで一日分の魔力は十分に補充できる。もちろん、それをためておくことも可能だ。
神様曰く献血のようなものだと言っていた。
これでキヨが魔力過多による体調不良も防げるわけで双方にメリットがあるわけだから遠慮もいらない。
私の目には見えないがおそらく頭を締め付ける緊箍児(仮)と同じように何か不思議なアイテムが私の身体には存在しているのだろう。
それならば忘れてしまったり、奪われたりなどの心配がなく安心。
まだ実技の授業も合同で内容も魔法における座学がほとんど。
これから先、私もファンタジー世界のように魔法が使えるのだと今から楽しみに感じている。
(こんなにも私は純粋なのに。)
何てそんな事いまはどうでもよくて、何よりも大きな収穫は〈魔力の無効化〉だ。
一見アオイ君の能力と同じかと思ったが、そうではなくアオイ君の力はあくまで自身の魔力で相手の魔力を無効化している。
つまり自分よりも相手の力の方が大きかったら無効化はされないし、あくまで能力。発動しなければ意味がない。
対して私はというと、私自身がこの世界の人間でないため魔力がなく、同時に魔力から干渉されることもないことを知った。
(もっと早く教えてほしかったけれど。)
つまり私は寝ていたとしても魔力の影響を受けることはなく、常に無効化が発動されている状態と同じ。
心配していたセージの洗脳も私には効かないということ。
ただあくまでそれは魔力のみ適応される力であり、物理攻撃は通常の人間と同じく効いてしまうため慢心は危険だ。
仮に魔力で動かした物体を投げつけられたとしても、私は普通に怪我をする。
この場合、魔力はあくまで物体にのみ影響し投げられたわけで、そういう攻撃ならば私自身で除けなければならない。
「魔法って意外にスポコン?」
思わず口から出てしまったが、一人部屋故聞いている者はいない。
肉体を強化できる能力の持ち主ならばそれには当てはまらないだろうが、私の異能は召喚魔法と決まった今、あまりその力は望めないだろう。
こんな大切なこと伝えてくれなかった神様だったが、別れの際にしきりに言っていた
『これだけは信じて!あなたを愛しているから私はあなたをここに送り込んだの!』
なぜ愛している人間を雑に扱うのか疑問だったが、これだけは言いたい。
愛があれば何でも許されるなんて思わないで欲しい。
もうすぐ始まる基礎魔法【実技】というものがどの程度、活用できる力か分からないがもし強化系が覚えられたのならすぐに自分にかけようと決めとりあえず今日のところは納得した。




