⑤本編抜粋 世良誠二
『「何度同じ失敗すれば学習するのですかね?鶏の方がよほど賢い。‥‥前みとるんか?」最後は小さな声でそう呟くセージにアオイは思わず苦笑する。』
『「いいですね!いいですよ!小汚い声だと思っていましたが、叫び声はとてもいい!」妙にテンションの高くなったセージを見てアカヤは顔を引きつらせ叫んだ。
「おい!いま俺ら追われてんの!見てないで助けろって!!」
しかし返ってきたのはやけに上機嫌な笑顔だけで助ける気は微塵もないようだった。』
『そう誰も気づかなかったのだ。Aクラスにいると言うことは自分の特殊能力がすでに発現されている。それなのに誰もセージの能力は知らなかった。
それこそが彼の能力だと気づき、だれがいつその能力にかけられていたのか?誰も知らないと言うことはアカヤたちや先生、セージと関わる全ての人がその力で操られていたということになる。』
『常に本を持っているセージにキヨは「何か探しているのか?」と聞いた。セージの読む本はいつも違っていたが、物語などの創作物ではなく辞書や図鑑、伝記、哲学書など様々だ。何か目的があってのことなのかと不思議に思っていた。するとセージは「知らないことが知りたいんだ。」と哲学的な返事が返ってきた。
今になって思えば、あれは異界について知りたかったと言うことだったのかもしれないと後悔した。あの時もっとセージについて知ろうとしていればこんな結末にはならなかったのかもしれない。いつだって失ってから後悔するのだ。』




