配信者や歌い手の『歌ってみた』や『歌枠配信』って著作権はどうなっているの? というお話(中)
後編はもう一つの注意すべき点である「音源の製作者の利用許諾が取れているか」について解説していこうと思ったのですが、その前に著作権の話で説明すべき話がもう一点ありました。
具体的には歌詞の話なのですが、当然歌詞に関する権利も著作権の中には含まれています。
歌詞の場合も曲の著作権と同じように意識していけば問題ありませんが、必要に応じての引用であればOKなど多少融通のきく部分もあります。
ただ、歌詞をそのままSNSなどに載せたり、歌詞が含まれた画像を投稿するのは基本的にNGを思っていいでしょう。
このエッセイを投稿しているのは『小説家になろう』ですので、今読んでいる中にはご存知の方もいると思いますが、歌詞はそれとわかるかたちで作品や活動報告に記載すると規約違反となります。
これは『小説家になろう』が著作権管理団体と契約を結んでいないからですが、規約と著作権は別物ですので、仮に個人で契約を結んでいたとしても記載する場合は確認が必要です。
同様にSNSやブログなどでも歌詞を載せるのは禁止されていることが多いですが、一部のブログなどでは歌詞についてのみ契約を結んでいて載せることが可能になっているケースもありますので、事前に確認してみるといいといいでしょう。
また、意識していても結構やってしまいがちな内容がありますので、いくつか紹介します。
まずは「タイトルであれば問題無い」という判断です。
いえ、実際タイトルであれば問題無いことがほとんどなのですが、長文のタイトル(歌詞に同じ内容が含まれている)だったりすると歌詞として判定される場合があるのです。
この『小説家になろう』でも実例が数件ありますし、昨今はAIで不正や違反を検知するシステムを導入するサイトも増えていますので、誤検知される可能性もなくはありません。
著作権管理団体と契約を結んでいないサイトで長文タイトルの曲名を記載する際は、できる限り注意した方が無難と思います。
次に、「歌詞の写った画像」の投稿です。
結構気軽にやってしまう人も多いですが、これも違反行為となってしまいます。
前編でも少し触れましたが、X(旧Twitter)は現時点でJASRACやNexToneと包括契約を結んでいません。
よくVtuberさんが歌っている最中のスクリーンショットを撮って、そのリスナーさんやご自身がX(旧Twitter)に投稿することがありますが、この際に歌詞が写っていると度合いによっては公衆送信権や複製権の違反となってしまいます。
この場合著作権違反となるのは投稿した人になるので、投稿したのがリスナーさんであればリスナーさんが警告を受ける可能性が有ります(余程悪質でなければいきなり訴えられるようなことは恐らくありません)。
しかし、違反となった画像には当然Vtuberさんも写っているはずなので、発覚した場合は互いに嫌な気持ちになることでしょう(最悪、逆恨みされることもあるかもしれません)。
また、個人で契約を結んでいる方であれば違反を回避できますが、契約内容に歌詞の投稿をが含まれていなければやはり違反となってしまいます。
個人契約を結んでいる方も、契約内容について念のため確認した方がいいかもしれません。
こういった問題があることから、配信や動画の概要欄などに「歌っている最中のスクリーンショットは禁止」と記載している方もいます。
また、カラオケJOYSOUNDの公式配信アプリでは機能として歌詞を表示する機能がありますが、表示する際は「使用者、視聴者にかかわらず演奏中の歌詞が表示される場合にはスクリーンショットは禁止」と利用規約に書かれています。
これは恐らくですが、JOYSOUND側にデメリットがあるからではなく、ユーザー側が訴えられても責任が取れないからこそ設定されているルールなのだと思われます。
ですので、JOYSOUND以外なら歌詞を表示しても問題ないと勘違いしている方がいらしたら、そこは注意が必要です。
Youtubeやニコニコ動画の結んでいる包括契約には歌詞についての利用許諾も含まれているので問題ありませんが、契約してない環境に持ち出された時点で違反行為になります。
演出として歌唱中に歌詞を表示するのはカッコいいし、これ自体はJASRACやNexToneと包括契約を結んでいる環境であれば違反にはなりませんが、最低限概要欄などにスクリーンショットを禁止する文面を記載したり、配信中に口頭でお願いするなどするのが無難と思います。
ただ、それでも完全に抑止することはできないので、そういったリスクがあることは認識しておいた方がいいでしょう。
警告を受けたり訴えられたという事例があるかはわかりませんが、違反は違反ですので可能性は少なからずあります。
ということで、今度こそ後編に続く!




