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3話
昼休み。
窓際でお弁当を食べながら、かおりがぼんやり外を見ていた。
視線の先はグラウンド。
朝練終わりの運動部が片付けをしている。
その中に、バスケ部の三年の先輩がいた。
「あ」
かおりの顔が、ふっと緩む。
その瞬間。
咲は心の中で「あー……」と思った。
分かりやすすぎる。
しかも最近、先輩の方もよくかおりに話しかけていた。
朝練帰りに廊下で呼び止められていたり。
部活帰りに並んで歩いていたり。
なんとなく、空気がいい。
かおり本人は「違うって!」と否定するけど、たぶん周りには結構バレてる。
「かおりー」
窓の外から先輩が手を振る。
かおりが慌てて顔を上げた。
「え、なに?」
「この前貸したノート」
「あっ、今持ってきます!」
慌てて鞄を探し始める。
その様子を、少し離れた席から優が見ていた。
いつもの軽い顔じゃない。
静かに、ただ見ている。
先輩が笑う。
かおりも笑う。
その空気だけで、十分だった。
優がふっと視線を落とす。
咲はその横顔を見て、胸が少し痛くなる。
(気づいたんだ)
たぶん。
かおりが好きなのは、自分じゃないって。
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