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25話

昼休みの教室。


かおりは自分の席に戻ろうとしながらも、ふと振り返る。


咲と優が、またいつものように言い合っている。


「それもう持ってるし」


「いや、お前の机に入れっぱなしだっただろ」


「見てないし!」


「見た」


「見てない!」


そんなやり取りを見て、かおりは小さく笑う。


「ねえねえ」


二人の間にひょいと入る。


「ちょっとさ」


咲と優が同時に見る。


かおりはニヤニヤしながら、軽く聞く。


「二人ってさ、付き合ってるの?」


一瞬、空気が止まる。


咲が即答する。


「違うし!」


優も普通の顔で言う。


「付き合ってるよ」


一拍。


「は?」


咲の声が裏返る。


かおりはそこで吹き出す。


「え、どっち?」


咲は優を睨む。


「違うって言ってるでしょ!」


優は咲を見て、ニヤッとする。


「俺のこと好きって言ったじゃん」


咲が固まる。


「……っ」


一瞬で顔が真っ赤になる。


「それ今関係ないでしょ!」


「あるだろ」


優は普通に返す。


かおりは机に手をつきながら、完全に楽しそうに笑っている。


「いやもうさ、それ答え出てるじゃん」


「出てないし!」


咲が即否定するけど、声が完全に揺れている。


優はさらに追い打ち。


「で?違うの?」


「違うわけないでしょ!」


言ってしまってから、咲はハッとして固まる。


「……っ」


自分で自爆した顔になる。


優は満足そうに笑う。


かおりはそれを見て、肩を揺らしながら笑う。


「もうさ」


「それはさすがにバレるって」


咲は机に突っ伏しかける。


「うるさいうるさいうるさい……!」


優はその横で普通に言う。


「うるさいのはお前な」


かおりはその二人を見ながら、楽しそうにひとこと。


「いや、いいと思うよ」


完全に他人事のテンションで笑っている。


教室の中だけ、ちょっとだけ違う空気になっていた。

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