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第2話:嵐の前の静けさ

――謎の紋章を持った男の学園襲撃がある少し前に物語はさかのぼる――


学院に平和が戻って、三日が経った。


あの舞踏会の夜が、まるで夢のように思える。


ヴァイオレットとの和解。六つの力の覚醒。そして仲間たちと過ごす穏やかな日々。


(悪くない…本当に、悪くない日常だわ)


私はベッドの中で天井を見つめながら、静かに息を吐いた。


頭の中はいつになく静かだ。


サンドラ『エリザベス様〜、早く寝てくださいまし〜。美容に悪いですわよ〜』


シャーロット『同意見ね。明日も授業があるわ』


シンデレラ『おやすみ…』


(そうね。寝ましょうか)


目を閉じた、その瞬間だった。


ぴり——と、肌が粟立つ感覚。


(…?)


レギーナ『…感じたか』


シャーロット『ええ。魔力の残滓。微弱だけど……外から来ている』


(外から…?)


私はゆっくりとベッドから起き上がった。


窓の外、学院の庭園に目を凝らす。


月明かりに照らされた石畳。揺れる木々の影。


何も——いない。


(気のせい、かしら)


ジャスティス『違うわ。絶対に何かいる。行って確かめましょう!』


シンデレラ『こわい…でも、気になる…』


サンドラ『エリザベス様が行くなら、私もついていきますわ!』


(……)


私は少し迷った。


アルベールを起こすべきか。


いや——まだ何も分かっていない段階で騒ぎを起こすのは得策じゃない。


(自分で確かめる)


静かに部屋を出た。


廊下は暗く、足音だけが響く。


シャーロット『魔力の気配…廊下の奥から来ているわ。ゆっくり近づいて』


(分かった)


一歩、また一歩。


気配は確かにある。


でも弱い。あまりにも弱すぎて、普通の魔法使いなら気づかないレベルだ。


(だから私が感じ取れたのね。六つの感覚が同時に働いているから)


角を曲がるたびに、気配が濃くなっていく。


心臓が少しだけ速くなる。


レギーナ『焦るな。相手はまだ気づいていない』


シャーロット『いいえ——気づいている。わざと気配を漏らしているのよ』


(わざと…?つまり、誘い込まれている?)


足が止まりそうになった。


でも——


(ここで引いたら、何も分からないまま)


深呼吸を一つ。


最後の角を曲がった瞬間——。


「…見つけた」


低い声が、暗闇の中から響いた。

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