緑大蛇
翌日の朝食は具だくさんのスープだった。真っ黄色の。味が予想できなかったが恐る恐る口にいれた。トマトスープだった。野菜の甘さを感じる優しい味だ。うまし。水丸の分はあらかじめ用意した器に移してから食べて貰った。
受付に鍵を返し外に出るともう結構人出がある。私はギルドに向かった。ギルドの壁に貼られた依頼書を確認していく。緑大蛇関係の依頼があればやってみようと思ったのだが、今は無いようだ。ギルドの依頼とジェローム商店に売れる皮をゲットできれば一石二鳥だぜ!とか思ったけどそんなに都合よくはいかないか。
ギルドを出て路地裏に行き周りに人がいないことを確認してから魔法で姿を消した。透明になるイメージだ。それから空を飛んで緑大蛇がいる沼地に向かった。風の抵抗を感じないようにイメージして速度を上げる。
《たのし~!》
沼地に到着。まじ速い。魔法サイコー!
辞典を出し緑大蛇を探す。空を飛んで近づき風の鎌をイメージして首を落とした。
「水丸、血抜きをお願いしていい?」
《いいよ~》
これを繰り返し三匹の緑大蛇をリュックにしまった。空を飛んで街の路地裏に降り人がいないことを確認して魔法を解く。そのままギルドに戻った。まだ午前中だ。買い取りカウンターに向かい
「緑大蛇の解体と皮意外の買い取りをお願いします。」
と伝えた。
「緑大蛇!?ほんとに?」
とりあえず倉庫に案内された。三匹の緑大蛇をリュックから出す。一匹3mくらいある。
「マジックバック持ちか。まあ緑大蛇三匹も狩ってこれるんだから強いんだろうな。皮以外買い取りという事だが皮も少しこっちに売って貰えないかい?」
依頼書に緑大蛇関係はなかったようだが、珍しい素材は仕入れておきたいらしい。
「では一匹分の皮はこちらに売ります。」
「助かるよ!特急で解体するから昼すぎくらいに受け取りに来てくれるかい?」
「わかりました。それでお願いします。」
倉庫から出るとハロルドさんがこちらに向かってくるところだった。
「レン?!緑大蛇はお前か!?」
私は応接室に連行された。
応接室で向かい合うハロルドさんと私。
「あのぉ、私何かまずい事をしましたか…?」
「いや、緑大蛇を狩るのは問題無い。ただ、今その実力がある奴はこの街にいないはずだから気になって倉庫に行ったらレンがいたもんだから。聞いてた話通りなら緑大蛇を狩るのは無理だと思うんだが。」
あっ、魔法が何でも使えるようになった事は言って無かったんだっけ?
私はハロルドさんに水丸の事と私の魔法の事を話した。
「レン、強い魔法を使う奴は少ないが、いる。何個もの強力な魔法を同時に使えるやつは聞いた事がないが。レンは人目に付かないようにしているようだから今の所問題無いだろう。ただ知られれば面倒だな。領主とか王とか…」
遠い目になるハロルドさん。
「問題は水丸だと思う。能力が大幅に上がる力?そんな物が世間に知れたらどうなるか…。色んな奴が拉致監禁しようとしてもおかしくないぞ。絶対に黙っとけ。俺も本部には異世界の何とかでレンの能力が上がったとだけ報告しとく。」
面倒はできる限り避けたいからな、とハロルドさんは苦笑いした。なんか迷惑をかけたっぽいので甘い物でごまかしとこう。テーブルにチョコレートパフェを出した。もちろん私達の分も。
《レン、すっごいおいしい!》
水丸は上下に激しく揺れた。
ハロルドさんは
「うぉぉぉっ!」
と叫び涙をながしながら食べてた。




