ミーヤの街に到着
門の内側に受付がありそこで身分証を確認している。大きな街だからチェックがしっかりしている。ソーク村はゆるくて良かった。色んな身分証があるようだ。私の番になった。少し緊張しながら冒険者カードを受付の人に見せた。受付の人はカードを見て水丸に少し目線をやり、しかし特に何も言われる事もなくあっさり門を通してくれた。門を入って真っすぐ伸びる大通りをキョロキョロしながら歩いているとすぐに冒険者ギルドの看板を見つけた。緊張しつつドアを開けた。
さすがに大きな街のギルドだ。まだ午前中だからだろうか、けっこうな数の人達が壁に貼ってある紙や反対側にある飲食もできるらしいコーナーにいる。受付は5人いてテキパキと処理していっている。それ程並ばずに私の順番が来た。
「おはようございます。新規の登録ですか?」
「いえ、違います。ギルド長はいらっしゃいますか?」
そう言って私は受付の女性に冒険者カードを差し出した。女性は一瞬目を見開いたがその後にっこり営業スマイルになり
「ご案内します。こちらです。」
と、私を二階の応接室に案内してくれた。
「ギルド長を呼んできます。少しお待ち下さい。」
そう言って女性は部屋を出て行った。しばらくするとドアがノックされ、開いたドアから身長が2mくらいありそうなマッチョなおじさんが入ってきた。おじさんは私の向かい側にドカッと座り
「よく来た。レン、水丸。マーサから話は聞いている。俺はここのギルド長のハロルドだ。よろしく」
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ソーク村で角兎の解体を終えた夜、マーサさんが私の泊まっている部屋のドアをノックした。部屋のドアを開け、テントの事はもう話してあったのでテントの中に案内した。そこでマーサさんは話をしてくれた。
・異世界転移者を発見したらギルド本部に報告をしなければならない事
・異世界転移者にはしばらく見張りがつく事
・今回はギルド長であるマーサさんが最初に対応したため、そのままマーサさんが見張りをしてた事
・異世界転移者情報は各ギルド長に共有される事
「昔この世界に来た転移者は悪い奴ではなかったらしいんだが、すごい能力の奴だったらしく常識を逸脱した様々な事をやらかしたらしいんだよ。ちょっと世界が混乱するくらいにね。その為、転移者を発見したらそこの村や街のギルド長がこの世界の常識的な事を転移者に教える事にしてる。まあ、いきなり暴れられたらどうしようもないんだがな。あんたに色々世話を焼いたのも最初は仕事の一環だったんだが、あんたはきちんと挨拶もできるし、常識の範囲内で行動できそうなやつだし、本当の事を話しても大丈夫なんじゃないかと思ってね。騙すような事をして悪かったね。」
「私は別に騙されたとは思って無いですよ。この世界の常識にも疎いですし。仕事でやってたんだとしてもマーサさんに出会えて良かったです。知らない人にまで私の事を知られているのはびっくりですが。」
苦笑いしながらそう言った。
「すまないね。でも知っているのはギルド長だけだ。みんな口は堅いから一般には漏れはしないよ。あたしから、あんたが世界を混乱させるような奴じゃないって報告しとくから。そうだ、次はこの村から一番近いミーヤの街に行くのはどうだい?あそこのギルド長は図体のでかい爪熊みたいなオヤジだが気のいいやつだ。大きな街だし店も沢山ある。賑やかだしきっと退屈しないよ。ギルド長に話を通しておくから街についたら訪ねるといいよ。あとね、ナイフとベルトは本当に下心無しのプレゼントさ。」
ああ、やっぱりマーサさんは良い人だった。私はテーブルに大福とお茶を出した。
「プレゼントのお礼です。」
私とマーサさんと水丸は仲良くお茶をした。
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「はじめまして。転移者のレンです。このこがレアスライムの水丸です。」
『きゅ~』
《よろしく~》
水丸のよろしくはハロルドさんには聞こえてないが。
「早速だがレンに頼みがある。」
真剣な顔で私を見るハロルドさん。何だろう?怖いよ…
「俺にも大福とやらをご馳走してくれないか?」




