宿泊施設
「この村は薬草が手に入りやすいから、買い取り価格は安い。都会に行けばもう少し高く買ってくれるさ。水の魔石はどこでもこれくらいの価格だが、供給が足りてない場所だともう少し高く買ってくれるだろう。まあ、ちょっとずつ経験を積めば大体解るさ。あんたはまず、この世界の普通を学ぶべきだ。それを知らなければあんたの力を悪用しようとする奴にすぐ目を付けられるよ。それは明日からあたしが教えてやるから今日はゆっくり休みな。」
そう言ってマーサさんは私に薬草38×30=1140ガルと魔石4000ガルの合計5140ガルのお金を渡してくれた。小さな銅のコインが4個、大きな銅のコインが1個、小さなな銅のコインと同じ大きさの銀のコインが5個だ。私は少しのお金も手にいれたし、村を見てまわりたかった。
「あの、私ちょっと村を散策してみたいんですが…」
「馬鹿な事を言ってんじゃないよ!常識知らずの上に身分証もない奴が村をうろうろしたら、何が起こるかわからないだろ!今日は大人しく部屋で休むんだよ!」
マーサさんの剣幕に押されて私は大人しく彼女の後に付いていった。
「今日はここでゆっくり休みな。トイレは部屋を出て左の突き当たりにある。トイレの手前に洗面所と、棚にタオルと桶があるからから体を拭くのに使うといい。ここは最低限の設備しかないからお湯はでないが、我慢してくれ。なんせ冒険者になりたての奴がとりあえず夜を明かすための施設だからな。食事は自分で何とかしてもらうのだが、あんたは大丈夫だろう?」
「食事は大丈夫です。色々教えてくれてありがとうございます。助かりました。」
マーサさんは満面の笑みを浮かべた後厳しい表情をして
「私が部屋を出たら必ず内側からカギをかけとくんだよ!どこにいたって最低限の防犯は自分でしな!」
ああ、なんかお母さんみたいだな。なんか心がじんわりする。部屋を出ていくマーサさんを見送りながらぼんやりとそう思った。マーサさんが部屋を出てから忠告通り内側からカギをかけた。部屋には簡素なベッドと小さな棚があるだけだ。広さはたぶん8畳くらいある。私はリュックからテントを出した。テントはこの部屋にギリギリ置く事ができた。
「トイレもお風呂もテントにあるから、こっちでゆっくりしよう!スライムもおいで~。」
部屋のベッドと棚の上を交互にピョンピョンしていたスライムと一緒に私はテントに入った。そして私は馴染み深いトイレとお風呂を堪能し目覚まし時計を午前6時にセットしてからスライムと一緒に快適なベッドでゆっくりと休んだのだった。




