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出会い

ヒルを取り除いた後、草むらからガサガサと音がした。


音がする方向に顔を向けるといきなり猪が飛び出してきた。

猪はこちらを見つけると、鼻を鳴らした。


「フゴッ、フゴッ」


そして前足で地面をガッ、ガッと掻く。


「・・・え?」


嫌な予感がした。


猪が頭を低くする。


「うっそだろ、せめてパンツくらい履かせてくれ!」


重量は40Kgくらいありそうな猪に突進なんかされたら痛いだけじゃすまない。

それに猪には牙がある、あれが体に刺さったら致命傷になりかねない。


このまま逃げるしかない。

俺は裸のまま猪から必死に距離をとった。


裸足で走るから足が痛い、小石とか枝を踏むともっと痛かった。

それでも猪に体当たりされて大怪我するよりましだ。

痛みをこらえて必死に逃げる。

逃げても猪は諦めてくれない、後ろから近づく音はどんどん近くなっている、このままでは追いつかれてしまう。

脱水症状も起きかけていることや、沢を見つけるまでの疲労もあり走れなくなってきた。


このままではまずい・・・水を見つけたのにもうだめなのか・・・?


諦めかけたときに男の声が聞こえた。


「そっちじゃない、こっちに来るんだ!」


声のするほうに振り向くと、小柄で半裸の男がこちらに向かって走っていた。


「おめぇはあっち側で隠れてろ、ここはオラが何とかする!」


小柄な男はすれ違いざまに岩のほうに指をさして隠れる場所を指示する。

言われるがまま指示された岩まで走り、猪と男の方を見る。


猪は突然現れた男を警戒して止まり、男に意識を向けていた。


猪の興奮は収まらず鼻息を鳴らし、前足をかいている。

猪は再び頭を低くした。


男は猪の動きを見ながら、槍を構えた。

猪が突っ込んできた瞬間


男が横へ身をかわした。


「ッ!」


槍が猪の胸元へ突き込まれる。

猪は数歩走ったところで崩れ落ちた。


男はしばらく様子を見てから、近寄り静かに手を合わせた。

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