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やめたい騎士団長は、なぜか昇進し続ける  作者: カンヌワルト
第一章 やめたい騎士団長の日々
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基準を揃える者

――帝国暦三二一年・春中頃 東ロンバルディア帝国騎士団領 総庁 会議室――

 全騎士団の管理運用、各基準を揃えるための会議だった。ざわめきは、揃っていなかった。


 報告も。

 評価も。

 訓練も。

 教育も

 その他についてもすべてが、騎士団ごとに別だった。


 だから、噛み合わない。

「第八の運用では成立しません」

 声が上がる。

 一瞬。

 騎士団団長カイン・レイスだった。


「統一基準は不要です」


「各騎士団の独自ルールがあるからこそ機能しています」


 言い切る。

 レオンは、少しだけ視線を上げる。


「……カイルだったか」


 空気が止まる。

「……カイン・レイスです、統括管理官」

 短く、訂正。

「……そうか」


 それだけだった。

 メリーが前に出る。

「現状の基準は統一されておりません」

「評価が個人や騎士団のルールに依存しています」

「再現性、継続性がありません」


 短く、切る。

「今回揃えます」


「第八には不要です」

 カインが食い下がる。


「評価基準は例外です。」


 レオンが言う。

「……議論は必要ない」


「通す」

 総長の低い声が落ちる。

「……責任は持てるか」


 レオンは答える。

「……当然だ」

 一瞬の沈黙。

「通す」

 それで、決まった。


 メリーが続ける。

「全騎士団、同一基準に統一」


「各騎士団の独自ルールを撤廃」


「評価、訓練、報告経路等」


「すべて揃えます」


「即時施行」


「七日後、一次確認」


「一ヶ月後、再評価」

 空気が、静まる。


 カインは、動かない。

 一時、言葉を失ったまま、立っている。

 レオンは、すでに視線を戻していた。


 終わっていた。

 揃った、形ではなく扱いが。

 それで、十分だった。


 カインは、わずかに息を吐く。

「……次は、負けません」


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