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## 彼に目をやって、彼女は凍り付いた。彼女に目をやって、彼は凍り付いた。
「ふう……」
本を読みながら、俺は盛大な溜め息を吐いた。
……暇、だ。
しかも、今日は祖父母と母が珍しくそろっている。食事など出るはずもないし、キッチンにも近づけない。
でも……とても、お腹が減った。
「……コンビニにでも行くか」
そして、俺は財布とスマホだけを持って、外に出た。
「はぁ……さむ、」
ほぅ、と、白い息をふわりと吐く。
空を見上げれば、今にも泣き出しそうに機嫌の悪い曇天がある。
それからふっと視線を逸らし、俺は真っ直ぐコンビニを目指した。
眩い程に煌々とした光を放つ店内に、目をぎゅっと細めた。
適当に商品を物色し、目についたサンドイッチを手に取りレジに行く。
スマホを見ながら並んでいると、いつしか俺の番になったので急いで財布を出し——レジの店員を見た、時だった。
「……え、」
「っ、な……」
俺とその店員は、顔を見合わせ、凍り付いた。
だって、その店員は——
本多さん、だったから。




