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[二部九章]珍客とティータイム

進みそうで進まないこう、話がぁぁ‥‥‥‥‥(進めそうで進めない自キャラ。


マスターが人間‥‥‥‥とはいえ、神の力を宿した存在ではあるが。その人物と関係性を築き上げることに対して、特に何か強く思うことは無かった。

何故なら、マスター自身が望むのであればそう収まるだろうし、そうでなければ彼はマスターに否定されてお終い、という結末が見えているからだ。


(人間の、愛欲という物はよく分かりませんが。‥‥‥‥美しい形で収まるというのであれば、私にとってそれはそれでよし、という結論に至るでしょうね。以前は、美を求めすぎるが故に過ちを犯しましたが‥‥‥‥‥なんにせよ、今マスターと共に在る、寿 文人という人物。愛情という物に対する多少のゆがみは発生するでしょうが、その程度、マスターであれば何とでも対処なさるでしょうし。)


そう。そう、分かっているのだが。


(少々、気になりはしますよね。‥‥‥‥差し入れの紅茶を持ち込みがてら、少々話をしてみましょうか。)


好奇心は抑えられないものだ。

私は紅茶を入れ、簡単な茶菓子と共に彼の部屋をノックする。

‥‥‥‥‥マスターがいないときに彼の気持ちを確認するのは、ちょっとしたルール違反かもしれないが、まぁ、たまにはあのもう一人の契約者と同じように動いてみるのも、良いかもしれないと思ったのだ。


「はーい。」


返事を待ってから、扉を開ける。

彼は、いつも通り本の整理や、マスターの仕事の手伝いの作業を行っているようだった。

勤勉な事だ。

自分は、割と彼本人の事を気に入っている。というのも、彼のその理知的な外見、行動、言動の裏に隠された大いなる闇。矛盾を孕んだ状態で、極めて理知的に活動しようと努力する様は本当に面白い。


(その事実を知るまでは、何とも奇妙な人間だとしか認識しておりませんでしたが‥‥‥ふふ。)


笑いが零れそうになるのを堪えて、極めて己が感情を殺し、にこやかに歩み寄りながら話を聞いてみる。


『今、お時間よろしいでしょうか。』


すると、顔をあげて少々不思議そうな顔をなさる文人様。


「あれ、珍しい。どうしたの?」


‥‥‥‥‥そう言えば、自分から彼に直接接触することはあまりなかったかもしれない。

けれどもまぁ、それは今まであまり興味がなかったからであって。


『ふふ、たまには私の方からお話をさせていただいても構わないでしょう。そう思いましてね。』


そう言うと、いまだ不思議そうではあるものの、納得がいったような表情をして、彼は私の事を見つめる。


『あれから、マスターとの関係性は如何ですか?』


そう問いかけてみると、途端に動揺したように立ち上がりかけ、ガタンと大きな物音を立ててから冷静を取り繕い、私の方を再度見つめながら冷汗をかきつつ、問いかけてくる。


「な、何が!?」


その様があまりにも面白くて、思わず笑みが零れる。


『マスターに大見得切ったのでしょう。惚れさせてみせる、とかなんとか?』


そう言うと、焦ったような表情が一瞬にして真っ赤に染まる。

手に持った書類がくしゃりと歪み、震える。


「な、なななな、何で知ってるの!?」


マスターから聞いた、とは言わない方が良いだろう。彼にも、ちょっとした見え位はあるだろうから。


(ですが、それを加味しても、マスター‥‥‥‥そういったことは、従者であれ、他人に漏らすべきではないと思いますよ。)


こころの中でだけ、そう思っておく。‥‥‥‥‥いや、聞かなかったらそれはそれでつまらないので今のままで構わないのだが。

だから、少々言葉を濁して彼に伝える。


『そりゃあ、従者ですからね。お気になさらず。私は‥‥‥‥そうですね、どちらかと言えば、貴方様を応援している側でございますので。』


この言葉は嘘ではない。

感情を取り戻す。その一点に絞れば、一番手っ取り早くて強力な感情が、“愛情”だから。

だからこそ、異性である彼へとマスターが興味を持ち、あわよくば恋心を自覚する成りなんなりしてもらった方がこちらとしても都合がよい。

あまりにも慌てた様が面白いので、少々付け足して話をしておく。


『えぇ、応援しておりますとも。けれど、気になるものは気になるのですよ。知的好奇心、という物ですね。』


「いらない探求心だねぇ!?」


咄嗟にそう叫んでから、急に地面を見つめ始める文人様。


「ちょ、ちょっとは進展してたらいいな~、って‥‥‥‥‥」


いじいじと指で遊び始める文人様。

‥‥‥‥‥‥‥少々いじめが過ぎましたかね?

けれども、案の定というか、思っていたより、というか。見ていて面白い。正直。


『ふふ、これが青春というやつですか。見ている側としては非常に楽しいですね。‥‥‥‥ですが、マスターの事をずっと見ているにしては、色々と鈍感でいらっしゃいますねぇ。』


そう言いながら淹れた紅茶を差し出す。

文人様は確か、何も入れない純粋な紅茶の方が好みだったような。

そう思い、何もつけずに差し出すと、ありがとうと礼を言って紅茶を飲む文人様。

一口飲んで、美味しそうに少々表情を緩めてから、不思議そうにこちらを見てくる。


「‥‥‥‥?どういうこと?」


おや。お気付きではない、と。

‥‥‥‥‥恐らく、文人様以外の誰もが気付いていると思うのですが‥‥‥‥まぁ、良いでしょう。


『いいえ。何でもございませんよ。‥‥‥‥それでは、お体に障らない程度にお仕事、頑張ってくださいませ。』


そう言ってお辞儀をして退室すると、丁度シェリー様との歓談から帰られたらしいマスターが扉の前に立っているのを発見する。


『おや。』


「の、ノワール‥‥‥‥えっと。」


静かに扉を閉めてから、小さなわが主に問いかける。


『文人様に、御用ですか?』


「ぴゃっ‥‥‥‥‥‥‥う、うん。そう。‥‥‥忙しそうだった?」


『いいえ。‥‥‥‥大丈夫ですよ、マスター。そんなにご心配ならずとも。』


そう言うと、頬を桜色に染めてから、こくりと頷くマスター。


『‥‥‥‥では、私はこれで。‥‥‥‥マスター。頑張ってくださいね。』


そう言うと、一瞬にしてしゃがみ込んでしまうマスター。

‥‥‥‥ふふ。一体どうなることやら。




さてさてどうなることやら。今日の更新は次の時間のは幕間にします。

と言う訳で明日の更新にこうご期待?

あと、またブックマーク登録者様増えてる!ありがとうございます!!やったね!

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