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[二部八章]書類整理

段々前書きが無くなったり生えたりしてますがあまり気にしない方向でお願いします。

書くことがないことも多いので‥‥‥


文字通り高速で飛んで帰り、理事長室のドアを開けるとそこには机の上に山積みになった書類の束があった。

‥‥‥‥‥‥前回は、ここまでになっていなかったはず。

つまり、前回は八代が‥‥‥‥‥‥


(うわぁ‥‥‥‥今度おすすめのお菓子買ってこ‥‥‥‥)


嘆いても仕方がないが、この量はさすがに想定外だった。

どうやら、留守の間に行方不明になっていた生徒たちについての情報に関する書類が多いようで、復学したいと申し出る生徒たちに関する手続きがメインとなってこの量の書類がたまったようだ。


『そっちもちゃんと解決してくれてたのに‥‥‥‥これ今日は帰れないなぁ‥‥‥』


別に問題は無い。ないのだが、少々疲れているのも事実なので、欲を言えば休みたかった。

けれどこれじゃあ流石に無理があるという物だろう。


「僕も手伝おうか?」


『んーん。私の仕事だし‥‥‥‥』


そう言いながらふらふらと理事長の椅子に座って書類を眺める。


「大丈夫。ほら、司書としても活動してるでしょ、僕。だから書類整理は得意なんだ。」


そう言いながらいくらかの書類を見て簡単に分類してくれる文人。

‥‥‥‥‥正直有り難いので厚意に甘えることにしよう。


『うー‥‥‥‥お願い。』


「任された。」


そう言いながらてきぱきと書類整理をし始める文人。

こうしてみると、とても頼もしい。

正直私は書類整理は苦手な部類に入るのだ。なんでって?見れば覚えられるからそのあと地面とかにとっ散らかりがちなんだよね。場所覚えてるからいいやってなってしまう。

問題なのは、分かっているんだけれども‥‥‥‥どうにも苦手なものは苦手だ。


結局、書類の整理は深夜に差し掛かるような時間帯まで続いた。

恐らく一人でやっていたらそれこそ寝ないでやらないと終らなかっただろう。

‥‥‥‥‥まぁ私に睡眠が必要かどうかはおいておいて。


『お、わったぁ‥‥‥‥‥‥‥八代に連絡できなかったのがここまで響くとは思ってもなかった‥‥‥‥』


ぽつりと愚痴をこぼすと、文人がいつの間にかミルクを用意していてくれたらしく、カップをコトリと置きながら苦笑する。


「あれはさすがに仕方ないよ‥‥‥とはいえ、ちゃんと後で感謝しておかないとね。行く前に依頼してた事件?の事も、済ませておいてくれたみたいだし。」


『ここぞとばかりにその後始末やっとけと言わんばかりの書類ばっかりだった気がするけど。まぁ、そうだね‥‥‥‥‥はぁ、甘いもの食べたい‥‥‥‥‥』


そう言いつつ、文人が入れてくれたホットミルクを飲む。

少々甘めに作られていて、飲みやすい。


「ん。買ってくるよ、すぐそこのコンビニでいいんだよね。」


『ありがとう‥‥‥‥‥』


そう言いながら私は机に突っ伏す。

‥‥‥‥‥‥誰か、別の人と一緒に何かをするのは凄く久しぶりだった。

けれど、決してうるさくもなく、彼の仕事はこう、丁寧で、私に合わせてくれているんだなぁ、と感じるような仕事ぶりだった。


(‥‥‥‥‥助かったな。けど。)


やっぱり、何かが違うのだ。

暖かな気持ちになって、ふわりとした心地よい空気が流れる時間は嫌いではないなと思う。

けれど、そうじゃないのだ。


(内亜、何してるんだろうか。)


ふと想いを馳せる。

初めて出会ったのは、いつの話だったか。

数十年なのか、数百年なのか。もう記憶があいまいになるくらいにはずっと一緒にいたから。

今の書類整理だって、内亜と一緒にやっていたらきっともっと時間がかかったに違いない。

邪魔されて、怒って、からかわれて、それでも手を進めて他愛のない話をする。


(だめだ、ずっと思い返しちゃう。)


相棒と呼べる存在であった内亜の喪失がここまで大きいとは思ってもみなかった。

けれど、そのことをずっと悔やんでいる余裕はない。

私は今、生き延びるためにちゃんと、自分を見つけ直さないといけないのだから。

確かに、もういいのではないかと思う気持ちもある。

けれど、何か心の奥底から、そうじゃない、と声がするのだ。


「ただいまー、って、大丈夫?」


『んー‥‥‥‥大丈夫。』


コンビニから戻ってきたらしい文人が軽い食事と一緒に甘味を机の上に並べてくれる。


「いらないかもしれないけど、一応、ね。」


『‥‥‥‥‥気が利く存在って君みたいな人のことを言うんだろうね。』


ぽつりと零れた言葉に、文人が首をかしげる。


「好きな子に尽くすのは当たり前じゃないかな。僕だって、誰にでもこういうことする訳じゃ無いし。」


『‥‥‥‥‥そっか。』


好きな子。そう言われたのは多分初めて。

内亜以外と二人きりで何かをしたのもきっとネフィーのところから出てきてから初めて。


『初めての事がいっぱいだな‥‥‥‥‥』


「ん?なにが?」


『書類整理も、こうしてぼんやりと話をするのも。ずっと内亜がいたから。』


そう答えると、少し考えこむような様子を見せてから文人が問いかけてくる。


「‥‥‥楽しい?」


これは、このふわりとした感覚は何なんだろうか。正直なところ、


『分からない。けど、悪くはないと思う。』


そう素直に答えると、そっか、と微笑んで頭を撫でられる。

内亜とは違う撫で方。ネフィーとも違う。

どこか緊張しているようで、けれど大事なものに触れるように撫でられる。


『‥‥‥‥‥』


悪くはない、かもしれない。

だからと言って、何かが変わるわけではないのだけれど。


まぁ、今はこの時間を堪能していてもいいのかもしれないとは、思う。





さて、商は変わりませんが次話から未希姉の視点に変わります。大分時間軸が戻るかも‥‥‥‥

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