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[二部七章]共闘


あれからしばらくして、作戦の為に招集がかかった後、ボクはバビロンに指定された場所へと向かった。


「今度はちゃんと背中預けろよ、あとちゃんとチームワークをだな」


『分かってる。そして今回の作戦、ボクから一つ伝えておかないといけないことがある。』


耳にタコができるほどの言葉を遮って、ボクは要点だけをかいつまんで話す。


『今回の作戦、すごく嫌な予感がする。そして、ボクの嫌な予感っていうのは半ば予知に近くって、大体当たる。それからこれは半分は君に謝らないといけない話。

‥‥‥‥‥神格が出たら、ボク一人が相手をする。』


すると、バビロンはまたかとでも言いたげに口を開きかける。けれどボクはそれを遮る。


『邪魔だから、じゃない。君たちに殺せない相手が出たら、それができるボクが戦う。そしてその時の戦闘には、君たちを巻き込みたくはない。まだ集団戦闘に慣れていないからね。なに、神格が出なければいいだけの話さ。』


「‥‥‥‥‥ったく、こっちの言葉を旨い事利用しやがって‥‥‥‥分かった。それならもし万が一俺たちが到底相手にできない相手が出たらお前に任せる。」


そう言ってため息をつくバビロン。

手が勝手に彼の案外柔らかい髪を撫でる。


『‥‥‥‥その時には、背後をお願いね。』


「‥‥‥‥‥わーったよ」


ぺしっと払いのけられてしまった手は少し残念だけれども仕方がない。


『それじゃあ行こうか、あの場所へ』


ボクらは再度、あのシャンタク鳥達が跋扈する星へと降り立つ。

今までずっと不思議だったんだ。なんで下級の神々の乗り物にもなるようなこいつらが蔓延れるような星ができてしまったのか。

こいつらにはとある天敵がいて、その天敵やそれに付随する神々がここにいないことだけは分かる。


「大分数は減ったけど、まだ浄化できるような数じゃねぇな、おいお前、あいつらの弱点って首でよかったんだよな。」


『そうだけど、何よりもその首を狙う前にかぎづめの警戒をしないといけない。あれに捕まったら、教えたよね。』


「あぁ、高所へと素早く連れ去られ、落下死、だろ。お前よく知ってるよな、そういうの。」


‥‥‥‥‥急に褒められても困る。

なんとなく気恥ずかしくなって、ボクはバビロンの背中をつつく。


『ほらほら、お出ましだ、やるよ、作戦通りでいいんでしょ。』


「あぁ。行くぞ。」


そう言って各々武器を構えて連携を取りつつ戦う。

ボクが基本的に首を取りに行く役割だけれど、まぁそこは仕方がない。だって僕の方が適任なんだもの。

暫くの間、ボクらは問題なく戦闘を行っていた。

けれど、異変は唐突に現れる。


「う、ぇっ」


チーム員の一人が急に吐いてしまったのだ。


『何を見た!?』


何があった、ではなく、何を見た。ボクが何で咄嗟にそんなことを聞いたかって、それはもちろん格別でかいのの気配を感じ取ったからだった。


「首のない、白い巨人‥‥‥‥‥」


『‥‥‥!バビロン!他の団員共々この人連れて離れて!ほんとに来やがった!』


そう叫ぶと、バビロンは一瞬だけ文句を言いたそうにしていたけれど、ボクの表情を見て頷いた。

バビロンが指示を出している間に、ボクは脳を回転させる。

白い、首なしの巨人。

それに該当する神格は一つ。

通称“Y白熱する巨体、頭部が存在せず、両の手の平には濡れた口が開いている。

真名、“イゴーロナク”。何より人間との戦闘において最悪の神を引いた。


「退避終わったぞ!俺は残るからな!」


『勿論!けれど今回の相手はちょっとというか大分君たち人間とは相性が最悪にもほどがある!バビロン!ボクの指示を信用できるか!?』


そう声をかけると、一瞬だけ間があった。けれどすぐに彼は頷く。


「あぁ、信用してる。チームメイトだからな。」


『バビロンは強い、だからシャンタク鳥たちに囲まれても問題ないと思うし、精神力も高い。だから君にはボクのサポートを行ってもらう。ただし、これを身に着けてだ!』


そう言って服の一部を破ってバビロンに放り投げる。


『“視界を隠せ”!戦闘時にどう動けばいいかはボクが指示を出す!』


「はぁ!?とんでもねぇ注文出しやがるコイツ!!あぁクソ、でもやるっきゃないんだろ!ならやってやるよ!」


そう言って目隠しをさっさと済ませてボクの方へと顔を向けるバビロン。


「で!?」


『三時方向から一匹、次15秒後に十時の方向!』


「あぁクソ、見えねえのに感触があるのなんか気味悪いなぁおい!んで次は!」


『次は———————!』


そうしてバビロンに指示を出しつつ、ボクはイゴーロナクと接敵する。


『アース=プラネット、お前にとって多分最悪に近い相性だ、後で謝るから今は許して』


そう言って端末を粉砕してから呼びかける。


『“イゴーロナク”、ボクが相手だ。』


彼は、名前を知る人間の元へとすぐに馳せ参じて、その人間の身体を乗っ取り、その周囲にいる人間どもを殺す。つまり、今名前を言ったボクは格好の餌食ってわけだ!

案の定、イゴーロナクはボクの声に反応してこちら一人をターゲットに絞り、身体を乗っ取ろうとする。

けれどもそれはできない。何故ならボクは人間なんかじゃないから。


『バビロン!ボクは神格との戦闘へ移行する!指示は出すけれど余裕ないから頑張って!』


「半ば視界ゼロで丸投げかよ!?分かった!ったく、怪我したらお前の責任だからな!」


とん、とバビロンと背中を合わせて立つ。


『せーので真正面、二回りくらい大きい個体だから気を付けて』


「あー、クッソ、俺がリーダーなんだけどなぁ!分かったよ!」


そう言いつつ、一斉にお互い前方へと飛び出し、ボクはイゴーロナクへと飛びかかる。





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