表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ・・・  作者: You
Ⅱ。。。
PR
16/23

ⅡのⅥ

貴方は約束を守れていますか?


死んでも尚、約束を守ろうとした少年と仲間の話はいかがでしょうか?


さあ、約束へ。

 俺たちはいつも一緒に遊んでいた。だが、ある日を境に、俺らはわかれた。約束の日にまた会うという約束をして。


―――約束の日 8月某日 神社―――

 35度を超えた真夏日。男は待ち合わせより10分ほど早く着いてしまった。近くの自動販売機で買ってきたスポーツドリンクを喉を鳴らしながら飲む。男の小麦色に色に焼けたその肌は、この真夏日に似合ってた。そこに、二人の男女が近づいて来るのが見えた。

直紀ナオ!!晴華ハル!!」

 男が近づいてくる男女に、手を振った。男女も顔を見合わせたあと、小走りで男に近づいてきた。二人組の片方、女の方が男に話しかける。

悠介ユウだよね?ちょうどソコでナオと会ったから二人で来たのよ!!」

 女性特有の高い声。男・・・ユウこと悠介ゆうすけは喜びのあまりか、笑みを浮かべていた。女と来た男の方は、その懐かしい景色を眺めていた。女は相変わらず口を忙しく動かしている。暑さを感じていないようにも思えた。

「ハル、ユウが困ってるよ。」

「・・・梨紗リィ!!」

 そこにもう一人、リィと呼ばれる女が来た。呆れた表情を浮かべながら笑っている。ハルと呼ばれた女はとても嬉しそうに笑顔を浮かべ、リィに抱きついた。本当に、暑さを感じていないのではないだろうか。ユウは、先ほどナオと呼ばれた男にキョロキョロとしながら話しかける。

「ナオ、アイツ一番に来ると思ったらなかなかこないな。」

「あぁ。待ち合わせ時間は2分前にすぎた。いつも3分前には着いていたのにな、昔は。」

 どうやら一人、待ち合わせ場所に来ていないようだ。


―――10年前 8月某日―――

 少年が3人、少女が2人。神社の大木のそばにあるベンチに座って会話をしている。

「なあ、リィ。本当に今日、夜にはっちゃうのか?」

 帽子をかぶった少年が、一人の少女・・・リィに話しかけた。リィは首を縦に振った。目にうっすらと涙を浮かばせて。少年は悲しそうな、苦しそうな表情で、口を一文字に結んだ。

「アメリカは・・・遠いよ。」

「ナオも、明日から入院でしょ?」

 ボソリと呟いた少年に、帽子をかぶった少年が言った。ナオと呼ばれた少年は、肌が夏にも関わらず、真っ白だった。いや、青白い。彼は病気らしい。「ヒクッ」という、泣く声が聞こえた。リィの隣に座る少女が肩を震わせて、涙を着ている白いワンピースに零した。

「泣くなよ、ハル・・・。皆だって、我慢してるんだからさ。」

 語尾を震わせて、涙を浮かべる少年は言った。彼自身も泣きたいのは山々なのだろう。

知夏チー・・・お前も泣いていいんだよ。今日は我慢しなくて、いいんだよ。」

 チーと呼ばれた少年に、帽子をかぶったユウという少年が目をこすりながら、優しく言う。そして、ユウが立ち上がって、涙を堪えながら笑って言った。情けない、笑顔だ。

「10年後!!俺たちが大学4年生になったとき。またこの場所で、今日、会おう!!」

 最後の方はもう、涙を抑えきれていなくて泣いていた。でも彼は笑顔だった。ほかの4人もつられたように立ち上がる。

「うん!!」

「じゃあ、12時ね!!」

「遅れないでね。」

「ソレはあんたでしょう・・・。」

 これが、彼らの約束・・だ。ただ、これが全員では集まれないなんて、誰も知るわけがなかった。


―――約束の日 待ち合わせから1時間―――

「なんで・・・一人足んねぇんだよっっ!!」

 ユウが手に持っていた、中身の無いペットボトルを地面に叩きつけるように投げた。ナオはそれをなだめるように、彼の肩に手を置いた。

「落ち着け!」

 それに習うように、リィとハルも言う。

「もう少し待ってみよう。」

「そーだよ!」

 ユウはベンチに座って頭を抱えた。ナオも隣りに座る。時間は経っていくだけだ。それから20分経ったときだった。

「あの・・・ユウさん、ナオさん、リィさん、ハルさんですか?」

 一人の少女が現れた。神社の鳥居を抜けて走ってくる。その姿は近所の高校の制服にローファーを履いていた。そして、4人の近くで止まる。

「・・・松下 知夏の妹の松下 知弘ちひろです。」

 そう言って、頭を下げた。松下とは、ここに来ていないチーこと知夏の苗字だ。ユウは立ち上がり、知弘のもとへ行く。

「・・・チーは?」

 そう言えば、知弘は言いにくそうに顔を俯かせた。4人はその意味が分からず、顔を見合う。一体何事かと。知弘は覚悟を決めたように顔を上げ、目の前にいるユウに向き合った。

「2年前の今日、病気でなくなりました。兄の御願いで、皆さんにはお知らせできませんでした。申し訳ございませんでした!!」

 そうして再度、頭を下げた。4人はただ、呆然と立ち尽くしてしまった。

「兄が・・・この日に会うんだから、その前に会わせてはいけないと言って。・・・兄の最後の願いでした。どうか、許してください。そして、出来ればお線香をあげて欲しいんです。」

 よく見れば、知弘はカバンと何かのケースを持っていた。おそらく楽器の入っているケース。制服はうっすらと汗で濡れている。きっと、部活が終わってから急いできたのだろう。

「兄が最後に・・・ゴメン、約束は守れなかった、と言ったんです。」

 約束を守りたかったと思います、と泣きながら言った知弘。その背中をそっと、リィが撫でた。そこにユウ、ナオ、ハルと手を当てて撫でた。

「・・・バカだなぁ、チーは。お葬式行って、お別れさせてくれよ。」

「ちがうでしょ、優しいのよ。チーは最後まで優しい。」

「それも違うよ!優しすぎるんだよ。チー、お別れしたくなかったのかな?」

「あいつ、泣き虫だったから。お別れされたら泣いちゃうからだろ?」



約束は守れなくても、

きっと5人の絆は守れただろう。

暑いこの夏の日。

汗と共に涙が流された。

いかがでしたか?

テストが近いのに小説書いていたので、そろそろ勉強を始めようと思います。


ここまでのお付き合いに感謝を、よろこびを。

どうかご感想をお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ