ⅡのⅣ<下>
まだ、双子の話は終わっていませんよ。
さあ、ご覧なさい・・・。
夢を見た。弟と同じ日に夢を見た・・・弟と言っても数分か数時間かの違いだ。つまりは双子である。あたしと双子の弟の海響は一部の人間に「夢見人」と呼ばれている。夢で人の過去・前世を、未来・来世をみるのがあたしたち双子だ。だいたい同じ日に夢をみると同じ人物で、違う日に見るなら半分ほどの確率でその夢を見る。過去・前世を見るのがあたしで、未来・来世を見るのが海響。
この日の夢は驚いた。だって彼女は私と同じような人間で、幽閉された世界で生きているのに、夢で多くの世界を知っていたから。
―――in dream―――
畳の部屋にあたしは立っていた。目の前には眠る少女が一人。その近くには蝋燭と鏡、櫛が置いてある。少女は着物をまとっていて、綺麗な黒い髪を寝ているせいか少し、崩してしまっていた。着物は少女によく似合うピンクだった。上品だけど、どこか可愛らしさがある着物だった。
「起きないのかな?・・・ていうか静かすぎる場所。」
少女は目を覚まさないまま。かと思いきや、ゆっくりとまぶたを開けた。そして口を開いた。視線の先はあたし。見えているのかもしれない。
「汝・・・何者だ。名を申せ」
小さな口を動かす少女はあたしが見えていた。・・・珍しい人間もいるものだ。
「普通は自分から名乗るものじゃないの?」
「・・・悲しいことに我は普通の人間とやらでは無い者でな。」
ああ言えばこう言う、という性格のようだ。典型的な一人っ子の性格だが、昔の人間は一人っ子でないことが多い。自分から名乗るしかないようだ。
「あたしは紅音。」
「・・・アカネか、良い響きだな。我は深琴と申す。深い琴と書く。他の者からは深琴姫と呼ばれし者だ。」
姫か・・・初めて聞く名前の姫だな。まあ、あまり日本史の授業で起きていないし仕方がないのかもしれないが。あたしの名前を良い響きだと彼女は言ったが、それこそ彼女の名前だってそうである。
「お主、そろそろ目を覚ましたほうが良いぞ。誰かが呼んでおる。」
不思議なことを言う彼女はニンマリと笑った。誰の声もあたしには聞こえなかった。正確には彼女とあたしの声の他には。だから不思議だった。
「さらばだ、紅音。今日、再び会おう・・・お主の世界で、な。」
そこで夢は終わった。最後の意味はよくわからなかったが、その言葉は叶うことになった。
―――現実 学校にて―――
弟と登校してきた学校で、あたしは弟のクラスと自分のクラスに転校生が来ることを知った。あたしは誰かに仕組まれたのかと思うくらいに弟といろいろなことがカブる。志望高校もそうだったし、今の席だって窓側の後ろから2番目。もとは一番後ろだったけれど。
「Hello、紅音。元気?」
「胡桃・・・相変わらず発音いいわね。」
「Thank you.一応は帰国子女だからね?」
胡桃は中学3年生のとき、転校してきた。家が近いのもあって仲良くなった。最近までは胡桃も一緒に登校していたが、彼氏が出来たのでソレはやめた。
「ヤッホー皆!!早く席ついてねー。」
担任の 佐々木 歩美先生が来た。結構綺麗な先生で、人気がある。性格はフレンドリーだけどうざくない。今年結婚したばかりらしい。
「今日は転校生が来ました!!2-Dにも来たらしいけど、我が2-Aにもきたよ!!さあさあ入って。」
歩美先生に言われて入ってきたのはかっこいい・・・というよりは綺麗という言葉が似合う少年。海響も顔が整ってるけど、彼も引けを取らないほどだった。なんとなく、夢の中であった少女に似ていると思った。思った瞬間、彼と目が合いニコリと笑いかけられた気がした。愛想笑いではないと思う。
「武藤 零紀です。これからよろしくお願いします。」
彼は頭を下げて挨拶をした。クラスの女子も男子すらも「かっこいい」とか「惚れちゃう(女子)」とか「あれはヤバい」なんて言ってる。何がヤバいんだっての。
「武藤くんの席は三空さんの後ろの席だよ。三空さん、挙ー手!!」
だるそうに手を上げれば、みんなに「元気ないなー。」とか「今日も変わらず綺麗!!」とか言われた。綺麗じゃないし、昨日と今日とで顔が変わってたら、それこそヤバイでしょ。
彼はそれを見て笑いながら席に着くために歩いてきた。そして、驚くべきことを言った。
「ほら、ね?」
いかがでしたか?
この双子の話を連載してみたいですが・・・受験生なので断念しました。
ここまでのお付き合いに感謝します。
どうかこれからもよろしくお願いします。




