ⅡのⅣ<上>
ある双子のお話はいかがですか?
男女の双子の試練を見てみたいとは思わないかい?
さあ、双子の試練をご覧あれ。
僕と姉は不思議な双子だ。僕"海響"と双子の姉"紅音"は、だいたい同じ日に夢を見ると同じ人物の前世・来世を見るか、過去・未来を見る。でも、同じ日に見ない夢は半分くらいがそれぞれ違う人のソレを見てしまう。そんな僕ら双子を知る一部の人間は、僕らを「夢見人」と呼ぶ。
その日は紅音と僕は夢を見た。紅音は前世か過去を見る。夢について不思議なことを言っていたが、それがどういう意味なのか僕には解らなかった。紅音は何を見たのだろうか・・・。
僕はその夢で来世を見た。来世か未来を見る俺は、未来ならまだしも来世を見てもそれが誰のものかはわからない。その日見た夢は僕を楽しませてくれた。だって・・・相手も同じ人間だったから。
そして珍しいことに僕らは同じ日に夢を見たのに、同じ人物の夢ではなかった。ただ、その事実を知るのはまだ先の話。
―――in dream―――
あぁ、ココは来世の世界なんだ。それは直ぐにわかった。だって・・・見たこともない乗り物が空を飛び、見たこともない機会を操る人々、宙に浮く動物。・・・ん?宙に浮く・・・動物?!
「なんだ・・・この世界は!!こんな世界は初めて来たぞ?!」
「誰?!」
夢の世界に入ってきた声。それは明らかに女の声だった。振り返れば、ワンピースにブレスレットとブーツを履く少女。耳にはヘッドフォンの先に機械が付いたナニか。それにメガネのようなものがさらに付いていた。髪が綺麗な銀髪で胸のあたりまであった。少女は綺麗な顔立ちで俗にいう美少女だったのだ。
「テメェから名乗るのが礼儀だろ、普通は。」
あ、口が悪いのは僕ね。今更直す気は無い。
少女は綺麗な顔の眉の間にシワを寄せた。綺麗な顔が勿体無い。・・・綺麗な顔は紅音で見慣れてはいるけどね。少女は言った。
「夢魅。夢を魅了の方の魅るで夢魅。この日本国の者だ。貴方は?」
無愛想な喋り方だ。表情も変わらない・・・つまり無表情だ。覚めた瞳で僕をみてくる。
「海響。海に響くで海響だ。この世界ではない日本から来た夢見人だ。ココは夢の世界か?」
「・・・私の夢の中だ。だから驚いたのだ・・・貴方がいることに。三空家の夢に入ってきたことに。」
驚いた・・・それはこちらのセリフだ。今、少女は三空と言った。俺の名前は 三空 海響 だ。そう多くない苗字のはずなのに。
「それに・・・海響という名は祖先の名だ。」
もしかしたら、彼女は僕の子孫なのかもしれない。そしてそこで夢は終わった。
―――現実 学校にて―――
彼女が結局、誰の生まれ変わりだったかは解らなかったが、彼女にあったこと自体に意味があったんじゃないかと思う。そんな僕が今いるのは、柚子白高等学校の2学年がいる3階。夕日がよく見える教室の窓側後ろから2番目。この中途半端な時期に転校生が来るかもしれないらしく、机が僕の後ろにある。そこに馬鹿が来た。声すらも馬鹿そうな声で、身長もバカみたいにでかい。
「海響、おはよう!」
「木下、朝から元気が有り余りすぎなんだよテメェ」
木下という馬鹿な友人に挨拶をされたのを少し軽めに受け流した。朝からうるさい人間だ。そこに担任が来た。清楚なイメージを持たせる、中身が元レディースのままの 鈴木 智花先生。
「相変わらず口が悪いな、海響ォォォ!!」
「うるせぇーぞ木下ァァァ!!」
その瞬間に鐘がなった。[キーンコーンカーンコーン]というべたな鐘が。ため息をつきながら、僕はつい本音をもらしてしまった。
「どっちもどっちだろぉが」
「「う゛・・・!!」」
図星・・・みたいなものかな?担任と木下の苦しそうな声がハモった。
「あ、朝のホームルームをはじめる。あ!!そ、そうだ転校生が来た。入って」
転校生がかわいそうだ・・・こんな馬鹿クラスに入ってくることになるなんて。しかも、担任に忘れられて。踏んだり蹴ったりだな、オイ。
「はじめまして、水面 凛です。よろしくお願いします。」
なんとなく、夢の中で出会った少女が彼女だと思った。だって、彼女は夢の中で出会った少女と同じ顔で、無表情だったから。見た目で違うところは髪と服装だけだった。髪色は銀髪ではなく、日本人でも珍しいほどの本当に真っ黒な黒髪。そしてその黒髪は彼女の腰のあたりまで伸びていた。彼女の凛という名前がよく似合った。本当に凛としている。
この再会《出会い》は運命か必然か?
そんなこと知ったところで何になるというのか?
いかがでしたか?
ここまでのお付き合い、有難う御座います!!
どうかアドバイスなどの感想をよろしくお願いします。




