098 平等に愛する
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
今何を言ったのこの王様?
じゅ、10番目の妻?
わ、私が?
え、この王様どっかで頭ぶつけた?
「まああああ!リタがお兄様の?それはすばらしいですわ!」
「おおモモ!お前も賛成してくれるんだな!」
「ええお兄様!こんな素敵なぽよぽよもちもちなお方が家族になるんですのよ!反対する理由がありませんわぁ!」
モモ姫は私に抱き付いて、ほっぺをむにむにしてホムラさんのとんでも発言に同意してた。
「わー!同じ年の子が来るの嬉しいなー!」
「オーガ族じゃなくて大丈夫なのか?」
「同族でないといけないという決まりはないと聞いています」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「分からない事がいっぱいあるだろうから、わたし達皆できちんと教えてあげましょうね」
「そうですね姉上」
喜んでるモミジちゃん、落ち着いたまま会話をするアカネさんとロカさん、一言もしゃべらないセイカさん、既に決定しているかのように話すクレナイさんとベニさん・・。
いやいやいや、何でそんな落ち着いてるの?
一夫多妻制となると、こうなるの?
「ふざけるのも大概にしろホムラ・・・!!」
ま、マイム?
何か、凄く怒ってる?
怒りの筋が見える・・。
「リタをお前の妻に・・?そんな事させるものか・・!!!!」
「決めるのはお前じゃねーだろ?」
「いや、なるつもりはありませんけど・・・」
「照れるな照れるな」
「一切照れてません!!!」
何を考えてるのこの王様?
本気な訳ないだろうから、ふざけてるのか、からかってるのか・・・。
王様だからって、不用意な発言はいかんでしょうが。
「お前、俺様が本気で言ってると思ってねーだろ・・・?」
え、この人心の中が読めるの?
じろっと私の顔を覗き込んでそんな事言われたからどきっとした。
「だ、だって会って間もないし、初対面で太いとかもち娘とか言ってきたし・・」
「あー・・・・それは・・・。・・・・・悪かったよ」
ホムラさんはバツが悪そうに頭をかきながら、なんと謝った。
え、ちゃんと謝れるんだこの人・・。
「でもなぁ、俺様はおふざけで妻にするとは絶対に言わねぇ。俺様は妻達全員を平等に本気で愛している!だからこいつらは喜んで俺様の所に来た」
9人の奥さん達は、全員にっこり笑って頷いている。
奥さん達全員、納得しているようだ。
「最初はマイムのお気に入りだって聞いたから興味が湧いた。ただそれだけだったが珍しいスキルの力、それに俺様に対して本気で怒鳴ったあの時の度胸、どれもが気に入った。10番目の妻にするというのも本気だ。お前も平等に愛する。だから俺様の妻になれ」
「わっ」
ぐいっと腰を引き寄せられ、思わずホムラさんの胸元に飛び込むような姿勢になってしまった。
意外にもホムラさんからはアロマのような甘い匂いがした。
「リタを離せ!!!」
「断ると言ったら?」
マイムが今にもホムラさんに斬りかかろうとする雰囲気だ。
ホムラさんはマイムを挑発するかのように笑ってる。
「マイム・・・・」
私はマイムの傍に行きたかったけど、ホムラさんが私をがっちり捕まえているため身動きが取れなかった。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
──ゾクッ!!
ホムラは体全体に寒気を感じた。
ざわざわと、全身が粟立つような感覚に、一筋の冷や汗が流れる。
「(・・・これは・・・殺気?)」
ホムラはマイムが発したものかと思った。
しかしそれは違った。
ホムラは初めて、マイムの肩の上にいる小さなキツネの存在に目を向けた。
その小柄で愛らしさもあるフォルムからは想像できないほど、冷たく鋭い白銀の眼がホムラをじっと見つめていた。
「(何だあのキツネ・・・。俺様が、恐怖を感じてるだと?まさか・・・)」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「リタを、リタを離せ・・ホムラ」
「・・・は、はは、取りかえしたきゃ実力でこいよ」
尚も気丈に振る舞うホムラ。
マイムは今にも怒りが爆発しそうだった。
そんな緊迫した空気を一変させたのは、ホムラの妻シャクヤクだった。
「あたしに良い考えが浮かんだよお二人さん」
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