093 リタを救出に
ジャイアントバードが生息するとある地帯─
どさどさどさどさっ!!
『こんなものだろう』
「さ・・さすがムゼン様・・・」
2頭どころか5頭もいとも簡単に仕留めたムゼンの力に、マイムは圧倒された。
「(ムゼン様がそこに立っただけでその威圧感でジャイアントバードは平伏した・・。そして全てたったの一撃・・どころか爪の先で弾いた程度で倒した・・流石は聖獣・・!俺なんてやっとかっとだった・・)」
マイムの傍らには何度も剣で攻撃した後のジャイアントバードの屍が1頭倒れている。
1頭とはいえ、レベルBのモンスターを討伐できたので誇ってもいいものだがマイムはまだまだ修行が足りないと、これから更に体を鍛える事を心に決めていた。
「(薬とか色々準備していたけど、出番はなかったな)」
『・・・む?』
「どうしましたムゼン様?」
倒したジャイアントバードを大きめのマジックサッカに詰め込んでいたマイムは、ムゼンがとある方向を見つめて険しい目つきになった事に気づいた。
あの方向は、『アニマの森』のある方向だ。
『何やら不穏を感じる・・。リタの身に何かあったのかもしれん』
「え!?」
どさ!とマイムはマジックサッカを落とす。
「り、リタに何が!?」
『すぐに村に戻るぞ。こっちに寄れ』
「は、はい!!」
落としたマジックサッカを拾い上げて、マイムはすぐにムゼンの傍に立つと転移魔法による光が二人を包んだ。
マイムとムゼンが戻った村では、リタが攫われたと大騒ぎになっていた。
それを聞いた瞬間、マイムは体の奥が冷たくなるのを感じた。
リタが
リタが攫われた?
今朝、笑顔で見送ってくれたリタが・・・。
「攫われたとはどういう事だ!?教えてくれ!!リタは誰に攫われた!??」
「落ち着けマイム!!!」
村の人達に詰め寄るマイム。
常にない形相だった。
それを村長のスプラーが一喝した。
「父さん・・・」
「落ち着くのだマイム。こういう時こそ冷静になれ。騒いだところで状況は変わらん」
村長の傍ではレイニーが、村長の服をぎゅっと握っていた。
今にも泣き出しそうなのを、必死に堪えていた。
それを見て、マイムは詰め寄った相手にすまない、と頭を下げ謝罪する。
「ウェーブ、説明してやってくれ」
「はい・・・」
リタは、角の生えた巨大な鳥に攫われたとウェーブは説明した。
「あれは間違いなく、ヤシャ国のクレナイの従魔・・ホーンファルコンだった・・・」
「ヤシャ国・・クレナイ・・・!」
マイムが眉をしかめ、ぎりっと歯を噛み締める。
「・・・という事は・・ホムラが絡んでいるな・・!」
ムゼンはその時、マイムの様子が一段と変わったのに気づいた。
『(ヤシャ国・・ホムラ・・。オーガ族の国の若き王だと聞いた事があるな・・。しかしこ奴の反応からして何やら因縁があるようだ・・)』
マイムは目に怒りの色を宿し、剣の柄を握りしめた。
「今すぐヤシャ国に行ってリタを救出する!!!」
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