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091 新しいシャボン玉の力



う、うわぁ・・オーガ族が沢山いるぅ・・。

いや、オーガ族の国なんだからオーガ族が沢山いて当たり前だけど・・。

それにしてもここが鉱山か・・・。

『星の洞窟』とは全然違う。

荷台みたいな乗り物にキラキラ綺麗なのが積まれていたけど、あれがもしかして金なのかな?


お姉さん、クレナイさんに連れてこられた鉱山では落盤が起きたという場所に人が沢山集まっていた。

あ、本当だ・・いくつかある鉱山の入り口の一つが、大きな岩で塞がれてる・・。


「うちの子が!うちの子が中に!!!」


女の人が泣き叫んでる。

子供が閉じ込められたって話は本当みたいだ。

何だか、病気で苦しんでたスライム族の子供達を必死で看病していたお母さん達の姿が重なる・・。



「お願いしますホムラ王様!うちの子をお助け下さい!!」

「任せろ!絶対に助けてやる!!」

「しかし王様、下手に岩を動かせば中が崩れる可能性もあります」

「かといって慎重に少しずつ岩を動かすとなると、内部の空気がもつか・・」

「ここで議論してる暇はねぇ!俺達は同族を絶対に見捨てねぇ・・そうだろ!」

「そのとおりだ!何としてでも中の奴らを助けるんだ!」


大柄なオーガ族の人達が総出で岩をどかしていく。

あんな大きな岩をひょいひょい抱えれるなんて・・流石オーガ族だ。

でも問題の一番大きな岩はオーガ族が何人いても動かなかった。


「元々この鉱山はオーガ族の力でやっと穴が掘れるほど硬く、岩は石剣などの武具として重宝される程。あのように巨大な大岩を動かせるオーガ族はいるとすれば・・先代の王ただ一人・・」

「先代の王様?」

「亡くなったお父様の事ですわ・・。でもお父様はもういない・・」

「親父がいなくても俺様がいる!こうなったら俺様がこの岩をぶった斬る・・!」

「待ってホムラ」


凄い事を言い出した王様。

オーガ族数人でも動かせない大岩を切るなんて、よくそんな発想できるなぁと思っていたら、クレナイさんが王様を止めた。


「ここはこの子のあの不思議な力に任せてみたらどうかしら?」

「はい?」

「あ?」

「クレナイお姉様?」


とん、とクレナイさんに背中を叩かれて私は思わず前に一歩踏み出す。

すると周りが一斉に私を見た。

ひい!蛇に睨まれた蛙ってこんな気持ちかもしれない・・!


「前に話したあの不思議な力・・貴方も見て見たいって言ったでしょう?」

「・・・・クレナイ。今は子供の命がかかってるんだぞ?ただの人間にこの大岩をどうにかできる訳ねーだろ?」

「わたしは、この子ならできると確信しているわ」


ぽんとクレナイさんが私の肩に手を置く。


「貴方の不思議な泡の力・・是非見せてちょうだい」


泡の力、って・・シャボン玉の事?

この人、何でシャボン玉の事知ってるの?



「・・おいモチ娘。お前にこの岩をどうにかできる力があるのか?」

「え・・・えっと・・」


オーガ族数人がかりでも動かない大岩をシャボン玉でどうにか・・。


・・・・・・・いやいやいやいやいやいや!!!

いくら万能すぎるシャボン玉でも、無理でしょう!

いや、これはもうシャボン玉でどうにかできる問題じゃないよ!

シャボン玉であの大岩をどうしろっていうのさ!


爆発するシャボン玉で大岩を破壊するとか?

いやいやいや!それだと被害が出る可能性が高いし、中で閉じ込められている人達も危ないかもしれない!

かといって私が今使えるシャボン玉で、大岩をどうにかできそうなのってないよぉ・・!

ううう・・・王様や周りの人達の視線がちくちく刺さるぅ・・!!



「ぁ・・・・」


その中で、洞窟に閉じ込められた子供のお母さんと目が合った。


涙で赤く腫れた目だった。

子供の無事を祈る、母親の目だった。



そりゃそうだ。

一刻も早く子供を助けてほしいだろう。


ああでもどうすれば?

大岩を破壊せずに、大岩をどうにかする方法・・。



ああもう


いっそあんな大岩、消えちゃえばいいのに!




「・・・・・・・消える?・・・・・・ああ、そっか。その方法があった」



私は歩き出した。

もう周りの目は気にならない。

私の目には、あの大岩しか入らない。



「リタ・・?」

「急に顔つきが変わったぞ・・?」

「ホムラもモモちゃんも静かに・・。凄い事が起きる筈だから」


雰囲気の変わったリタに、自然とオーガ族達が道を開ける。

大岩の前にたどり着いたリタは、すっと両手を掲げた。




・・・・・・・・・ふわん。



リタの両手の中に、シャボン玉が一つ浮かんだ。

それは透明度が高いシャボン玉だった。


リタの手の中からシャボン玉は大岩の元へ飛んでいく。



・・・・・・パチンッ!


シャボン玉は大岩に触れた瞬間、割れた。

弾けて割れた瞬間、きらきらと光の粒が大岩に降り注がれる。

その瞬間、す洞窟の入り口を塞いでいたその大岩はすぅっと何事もなかったかのように消えていった。


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