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087 怒り



「ホムラったら、静かに入ってきてっていつも言ってるでしょう?」

「悪いなぁクレナイ。ついよぉ」

「もう」


綺麗な人が大男に色っぽくもたれ掛かる。

美男美女で凄くお似合いだけど・・、何せ大男の迫力が凄くて怖い。


「んで、こいつで間違いないのか?」

「ええ、この子よ」

「ふーん・・・・」


じろじろじろじろじろじろじろ。


大男が無遠慮に私を上から下まで見てきた。


「・・・・・マイムの奴・・・趣味わっりいなぁ!!!こーんな太いのが好みなのかぁ?」


太い。

何でここでマイムの名前が出るか分からないけど、初対面で太いと言われると中々に腹が立つ・・!!


・・・・・事実無根だけど。


「一体貴方方は誰なの?どうしてマイムを知ってるの?」


とにかく、最も聞きたい事を聞いてみた。



「俺様はヤシャ国の王、ホムラ。こっちは9人いる妻の一人クレナイ」

「よろしくね」


・・・さらっと凄い答えが返ってきた。


9人も奥さんがいる事も衝撃的だけど、お、王様!?

この大男がオーガ族の、王・・。


「んでもって、マイムは俺様のライバルだ」

「ライバル!?」


またもや衝撃的発言。

マイムとこのホムラと言う王様は知り合いという訳?


「ま、ライバルと言っても実力は俺様が上だけどな」

「120戦中、ずーっと引き分け状態ですけどね」

「うるせぇ!今度は勝つ!!!」


120戦・・120回も戦ってるという事だよね・・?

それで勝負が一度もついてないという事は、王様とマイムってほぼ実力は同じ?

戦闘種族のオーガ族の王とやりあえるなんて・・マイム凄い!


「料理人なんつーかっこ悪いスキルを授かった奴と、いつまでも王の俺様が同格な訳にはいかねぇ・・!今度こそ俺様の方が上だという事を証明してやる!」

「・・・・かっこ悪い?」


その言葉に私はむっときた。

かっこ悪いって、どう言う意味よ。


「ああ。究極だか何だか知らねーけど、料理人なんて笑えるぜ。実際、腹抱えて笑ったけどな。対して俺様の素晴らしいスキルを聞いた時の奴の顔は今思い出しても実に愉快だ。戦闘系のスキルを欲しがってたようだが、料理人なんて・・くくく」


心の底から、マイムを馬鹿にしてる笑い方に





私は切れた。



「訂正して・・・」

「あ?」

「訂正して!!!!!」



さっきまで怖かったけど、そんなのどこかに吹き飛んでしまった。

それよりも、マイムを馬鹿にしたこの男に怒りが湧く。


「料理人のどこがかっこ悪いの!?マイムの作るご飯はとってもとっても美味しくて幸せな気持ちになるんだよ!それに凄く元気も湧いてくる!貴方達だってご飯を食べるでしょう?食べるなら美味しい方がいいでしょう?美味しいものを食べると幸せで元気になるでしょう?力もつくでしょう?料理人はすごく素敵なスキルだよ!だから、そのスキルを・・マイムを馬鹿にしないで!!!!」



何で私、こんなに怒ってるんだろう?

自分が太いと言われたとき以上に、私は怒りを感じてる。


マイムを馬鹿にされて、本当に許せなかった。


いつも私に親切で優しくしてくれたマイム。

マイムが笑いかけてくれると、とても嬉しかった。



「・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・」



時々、マイムに対して胸が不思議な気持ちで溢れたのを思い出す。


そうか。

私は、



私は、マイムが大好きなんだ。



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