072 ごちそう、期待しています
次の日、何だかトンカントンカンという金づちを打っている音で目が覚めた。
外を見ると、何だか凄いものを皆が作っていた。
椅子、だろうか?
形は椅子なんだけど、すごく、でかい。
「ムゼン様専用の椅子なのよ。聖獣であられるムゼン様に宴の席は最高のお席を!って早朝から皆、大張り切りなの」
クリスタルさんが笑いながら説明してくれた。
な、なるほど・・。
確かにあの大きさなら、でっかくなったムゼンさんでも座れるだろう。
『この村の者達は、我の偉大さをよぉく分かっているようだな』
ご満悦なムゼンさん。
例のごとく偉そうだけど、マイム特製のオムレツで口元がたまごで汚れてるから偉大の偉の字もない。
「勿論、リタさんの椅子も作っているから楽しみにしていてね」
「・・・・あんまり派手じゃないようお願いします・・・」
外から見えるムゼンさんの椅子は、見るからに・・派手である。
ナイフのような刃物で椅子に模様を掘ったりしてるから尚更だ。
お揃いの椅子を作ってたら、ちょっと座るのに抵抗があるなぁ・・。
気持ちはありがたいけどね。
「じゃあ私は今夜の食材を狩りに行ってきます!特大のお肉、期待してて!」
「お待ちしてます!」
この前の宴に出てきたステーキの味を思い出して、私は思わず軍隊みたいに敬礼した。
クリスタルさんもノッてくれて、敬礼を返してくれてから出かけて行った。
「またステーキ食べれるのかな~~?マイムが焼いてくれたステーキは最高だよムゼンさん!」
『ほう!それは楽しみだ!!奴の作るものは全てが美味だからなっ』
「ねー!」
マイムの作るご飯に関しては、ムゼンさんとはとても意気投合する。
ああ、楽しみだ!
宴が始まるのは夜。
さて、それまで何しようか?
宴を開くお手伝い?
・・・・・私とムゼンさんは主役だからって断れるだろうな。
逆の立場だったら、私だって主役にそんな事させれないもの。
『レクイエムの泉』の傍でのんびりしていようかなぁ?
そう思っていたら、マイムとレイニーちゃんが何かを運んでいるのが目に留まった。
あれは確か、王国でマイムが買った村の皆の衣服用の布だ。
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