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065 リタのお買い物



「次は布屋だな」

「それにしてもほんと、色んなお店があるね。あ、アンティークのお店もある」

「覗いてみるか?」

「えっ良いよ。それよりもお買い物が先だし」


確かに気になるお店がいくつもあるけど、でも大事なお買い物があるもの。


『それなら二手に分かれればいいのではないか?』

「「え?」」

『我も久しぶりの人の街だ。彼方此方を見てみたい。リタには我がついておるからお前も安心できるだろう?』

「え、でも・・・・ここに来たのは村の人達の為だし・・」

「いや、リタには世話になりすぎてる。ここでも色々と手伝ってもらってばかりだ。リタ、こっちは気にしないで良いから、自由に買い物してくれ」

「いいの、マイム?」

「ムゼン様が傍にいればこれ以上の安全な事はない。そうだな・・昼頃になったら『スズメのお宿』で待ち合わせるのはどうだ?」

「・・・それじゃ、お言葉に甘えて」


こうして私とマイムは別行動を取る事となった。


『さてリタ、どこに行く?』

「ん~とりあえずは・・・銀貨7枚分のお買い物したいな」

『随分具体的だな』

「まあ、ね」


住んでいた街に比べて、本当にここはお店が多い。

魔道具専門の店もあるし、食べ物屋さんもいっぱいだ。

うーん、良い匂い!

まずはさっき気になってたアンティークのお店に入る事にした。


「すいません、この子も一緒に中に入って良いですか?」

「ええ、構いませんよ。可愛いキツネですね」

「どうもありがとうございます」


お店の人にムゼンさんの事を断ってから中に入った。

お茶を飲むスペースもあって、紅茶の良い香りがした。


「あ、これ可愛い」


皮でできた腕輪だ。

サイズからして子供用かな?

深紅の石がはめ込まれてて、綺麗。


「ムゼンさんの目の色みたいだね」

『ほう、そうか?』


値段を見て見ると、銀貨1枚と銅貨3枚の値段だった。

そんなに高くはないな・・・。


「すいませーん、これください」





外に出て買った腕輪を出した。

おまけに好きな紅茶のパックを一つくれたからサービスの良いお店だ。


『銀貨7枚分の買い物か?』

「これは別だよ。これはムゼンさんに似合うと思って買ったの」

『何?我にか?』

「うん」


ムゼンさんのふわふわな腕に腕輪をつけてあげた。


「うん、やっぱり似合う」

『・・・・・・・我を恐れたり、敬って供物を送ってきた人間は多くいたが、似合うという理由だけでこのような物を貰ったのは初めてだ』

「気に入らなかった?」

『否。大いに嬉しく思うぞリタ』

「良かった!さ、次は銀貨7枚分の買い物をするぞ!」


リタの肩に乗るムゼン。

その尻尾はムゼンも無意識に喜びに揺れていた。


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