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062 後悔と謝罪と和解




「お嬢ちゃん・・・無事に逃げてこられたんだね・・・」

「はい・・。おじさんとおばさんも無事だったんですね」

「ああ・・ワシらはあの後、この王国へ向かう途中の貨物馬車に拾われてな・・事なきを得たんじゃ・・・」

「それはついてましたねっ」


おじさんとおばさんは私を伺うようにチラチラ見てくる。


『何だこやつらは・・言いたい事があればさっさと言えば良いものを・・』

「まあまあ・・(小声)。おじさん、おばさん」


びくっと震える二人。

私は安心させるように笑った。


最初は私を置いて逃げたこの二人には怒りはあったけど、今はその気持ちはない。

複雑な気持ちはほんのちょっぴりある事はあるけど、おじさんとおばさんが無事でいた事に安心したのは本当だ。


「あの時の事はもう気にしてません。確かに貴方方のした事は忘れる事はできないけど・・お孫さんが生まれたばかりの貴方方が何としてでも生き延びたいという気持ちも分かりますし・・」

「「!!」」



盗賊団に襲われる前、二人が話してくれた。

故郷で、娘夫婦に赤ちゃんが生まれた事。

もう目に入れても痛くないほど可愛い孫だそうで、そのお孫さんと出産を終えたばかりの娘の為に沢山お金を稼いでくると約束した事。

お孫さんの事を話す二人の顔は本当に嬉しそうで幸せそうだった。



「大事なお孫さんにもう会えなくなると思ったら、あんな行動に出ても仕方ないかなって思ったんです。・・・・・あの時は私は怖くてたまらなかった・・。でも、その過程を得て私は素晴らしい出会いに巡り合えたんです。その時の事を忘れそうになるくらい・・。だから私はもう気にしない事にしたんです。おじさんもおばさんも、もう気にしないでください」

「・・・・・っ・・・すまなかったお嬢ちゃん・・!!!」


二人が私に深く頭を下げてきた。


「言い訳にしか聞こえんと思うがあの時の事は今でも後悔している・・!本当にあの時、お嬢ちゃんを置いて逃げたりしてすまなかった・・!」

「本当にごめんなさいね・・ごめんなさいね・・・!」


おばさんは涙まで流してる・・。

本当に申し訳ないという気持ちが痛いほど伝わってきた。


「顔を上げてください・・。おじさんとおばさんが後悔していると分かっただけで嬉しいです。お互い無事だったんですから、もう謝るのはなしです。ね」

「・・・・・・ありがとう・・お嬢ちゃん・・・」

「お嬢ちゃん・・あんたは良い子だよ・・本当に良い子だよ・・」


おばさんは持っていた荷物をごそごそしはじめる。


「これ、昨日のお礼もかねてお詫びに受け取っておくれ・・」


おばさんはチェーンの付いた懐中時計のようなものを出した。

でも文字盤はなく、水晶のように綺麗なガラスがはめ込まれてる。


「鑑定用の魔道具だよ。これで名前の分からない薬草なんかの鑑定が簡単にできるようになるよ」

「あんまり価値の高いものや昔のもんだと鑑定しきれない場合もあるが、ちょっとした事なら十分役に立つ代物じゃよ」

「えっこんな高そうなものを私に!?」


鑑定できる魔道具って結構値が張るものじゃないの?


「これって商売道具なんじゃ・・」

「良いんだよお嬢ちゃん・・でないと私達の気が済まないよ」

「このまま故郷に帰っても、娘夫婦や孫に会わせる顔がない・・。どうか受け取っておくれ・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」


私は少し悩んだけど、有り難く受け取る事にした。

おじさんとおばさんはようやくほっとしたような笑顔になった。


鑑定の魔道具、凄いものが手に入っちゃった。



『ふぅむ・・・これは思っていた以上だ・・。この娘となら・・・・・』


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