061 またしても思わぬ再会
「次はコンスタントの所へ行くのですか?では一つ、言付けをお願いしたいのですが・・」
「何だ?」
お金がびっしり詰まった袋を、腕から体内へと仕舞いこんだマイム(やっぱり便利な体だ)。
気のせいだろうか?
ジェロームさんの眼鏡が怪しく光ったような・・。
「・・・次の酒盛りでは絶対に負けぬ、と・・」
「またか。好きだなお前達は酒盛りが・・」
呆れた顔をするマイム。
ジェロームさんは悔しそうに拳を握った。
「奴め・・!たった一杯の差で得意げな顔をしてくるのですよ!たった一杯の差で!今度は私が二杯以上の差をつけてやるつもりです!」
きゅっとネクタイを締め直してそう宣言したジェロームさん。
冒険者ギルドのマスター、コンスタントさんとは幼馴染なんだっけ。
「二人はいつもくだらない事で争ってるんだ・・気にするな」
マイムがこそこそとそう教えてくれた。
でも、それはとっても仲が良いって証拠なんじゃないかな?
嫌ってたら一緒にお酒を飲むなんて事自体、しないと思うし。
「いいですか?頼みましたよ・・!」
「分かった分かった。じゃあジェロームまたな。次もよろしく頼む」
「さようならジェロームさん」
「またのお越しをお待ちしております」
冒険者ギルドは朝からたくさん人がいた。
掲示板の前で冒険者達が依頼書をチェックしてる。
隣接している酒場も朝から飲んでる人がいた。
う、お酒の匂いが強い・・・。
「マイム・・私、外で待ってていい?朝からお酒の匂いはちょっと・・」
「大丈夫か・・?」
「外の空気吸えば大丈夫だよ」
「分かった。じゃあちょっと待っててくれ」
「うん」
外にあるベンチに腰を下ろして一息・・。
どうもお酒は苦手である。
「どうしてお酒好きな人って多いのかな・・」
『我は酒は大好きだぞ。特にアルコルルという実は酒の成分が豊富に含まれてて格別だ』
「へー、アルコルルの実・・・」
“アルコルルの実=果汁のアルコール度数が80以上。”
『ドワーフ族の作る酒も中々美味いぞ。時折人の姿に化けて、飲みに行っていた』
「ふーん、人に化けて・・・って、ムゼンさん変身できるの?!」
『無論。我くらいになれば変身魔法などお手のものだ』
はー・・流石聖獣。
いったいどんな姿になるんだろう?
「・・・・あの・・・・・」
「はい?」
突然声をかけられた。
誰だろ?
「・・・・・・あ」
あの老夫婦のおじさんとおばさんだった。
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