058 思わぬ再会 その3
パチンッ !!!
「んが?」
「あ?」
「ふぁあ・・・・・」
「っ!」
どさどさどさっと3人の冒険者達は地面に倒れ込んだ。
「え、どうしたの・・?」
「いきなり倒れたぞ・・?」
「見て、鼻ちょーちん出してる・・」
「眠っちまったのか?」
周りがざわざわする。
マイムは茫然と、イビキをかいて寝ている3人を見下ろす。
「マイム」
「っ」
そ、と私は剣を抜こうとしていたマイムの手に触った。
「こんなに大勢の人の前で剣を抜いたら・・駄目だよ・・・」
「・・・・・リタが、やったのか・・?」
「・・・・・ごめん。こんな所で、マイムに剣を抜いてほしくなかったから・・」
マイムの気持ちは痛いほど分かる。
こいつらの所為で、今までどれだけ大変だったのか。
どれだけ、スライム族が傷つき、辛い思いをしてきたか。
それでも、私はマイムを止めたかった。
男の手から離れた荷物を持って、私は地面に座り込んだままのおじさんとおばさんに近づく。
「はい、大事な商売道具」
「・・・あっあんたは・・もしかして・・!」
「あの時の、お嬢ちゃん・・・?」
私の事を覚えていたのか、驚きに目を見開く二人。
私は荷物をおばさんに渡した。
「お二人とも、無事だったんですね。・・・・良かった」
「「!」」
呆然とする二人を起こしてあげて、服についていた砂を払ってあげていたら、ようやく自警団の人が騒ぎに気づいてやってきた。
簡単に何があったのか説明して、3人の冒険者達は自警団に連行される事になった。
元々、彼方此方で良くない噂があって、彼らはマークされていたらしい。
後に冒険者ギルドマスターと話し合って、ランク降格、あるいは除名の可能性もあるとの事。
除名されてしまえ!と思いながら、3人は眠ったまま自警団に連れて行かれた。
老夫婦も被害届を出す為に、自警団の人と一緒に行く事になった。
バツが悪そうに老夫婦は私を見てたけど、あえて何も言わず見送った。
『人が良いなリタは・・。運が悪ければお前は殺されていたかもしれないのに・・』
「私はただ、シャボン玉を飛ばしただけだよムゼンさん」
マイムは連行されていく3人を見つめてる。
今、マイムが何を考えてるかは分からない。
「マイム、宿に戻ろう・・」
私の声は聞こえるだろうか?
袖を引っ張ってみる。
「・・・・・・・・ああ・・・・・」
返事が返ってきた。
私達は、『スズメのお宿』に戻った。
『(リタ・アンジェーロ・・・。思っていた以上に面白い人間かもしれぬ・・)』
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