059 謝罪
パタン。
部屋に戻っても、マイムはずっと無言。
私はたまらなくなって、ばっと深く頭を下げた。
「ごめんなさいマイム!!!」
「・・・・・・え?」
私はマイムの顔が見れなくて、頭を下げたまま謝った。
「ごめんねマイムっ。マイムがあの3人を許せない気持ちでいっぱいになるのは当然だったのに、余計な事して・・!でも、それでもマイムにあそこで剣を抜いてほしくなかった!勿論ここが街中でなく、人の目もない荒野とかだったら止めはしなかったよ!!」
『うむ、そういう場所なら証拠も隠しやすいしな』
「そうそうそのとおり!!っていやそういう問題じゃないんだけどね!」
思わず突っ込みいれてしまった。
今はそういう雰囲気じゃないというのに・・!!
「マイム、この国では二人のギルドマスターも含めて色んな人にお世話になったって言ったでしょう?そんな大切な国で、剣を抜いて騒ぎを起こしたら・・出入り禁止になっちゃうんじゃないかって思ったの・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「それに、マイムあの時頭に血がのぼっててあまり周りが見えてないように見えたから・・止めなくちゃいけないって思って・・それでスリープ・シャボンを使ったの・・・」
「リタ・・・・」
「ごめんねマイム・・。マイムの気持ち、凄く分かるのに・・邪魔しちゃって・・でも、でも私・・・」
「リタが謝る事はない」
ぎゅ、とマイムが私の両手を握ってきた。
驚いて私は顔を上げる。
マイムは、いつもの優しい顔に戻ってた。
「リタの言う通り、あの時リタが止めてくれなかったら俺は何をしていたか分からない・・。それだけ俺の頭の中は奴らに対する怒りと憎しみでいっぱいだった・・。俺は、この国が大好きだ。怒りに任せて暴れていたら、この国の人達にも今まで力を貸してくれてたコンスタントやジェロームにも迷惑をかける所だった・・」
「マイム・・邪魔した事、怒ってない?」
「怒るもんか。むしろ感謝している。リタ・・俺を止めてくれて、ありがとう・・」
「マイム・・・・」
嫌われても、仕方ないと思ってた。
でもマイムは、笑ってくれた。
笑って、ありがとうって言ってくれた。
良かった・・本当に良かった・・・・。
『しかし見事な力だったな。我には突然奴らが眠ったように見えたぞ』
「そうだ。俺もあの時シャボン玉は見えなかった。いったいどうやったんだ?」
「え?見えなかった?私、普通のスリープシャボンを作ったつもりなんだけど・・」
見えなかった?
どういう事?
たしかあの時・・・これ以上騒ぎが大きくならないように、誰も騒がないようにってそんな気持ちでスリープシャボンを作ったんだっけ。
『ふむ、もしかしたら騒ぎを広めたくないというリタの思いから、見えないシャボン玉ができたのではないか?』
「見えないシャボン玉・・シールドシャボンのようにか?」
『ためしにやってみろリタ』
「う、うん・・・むむむ・・・・・」
ふわん、とシャボン玉が私の手の中に浮かぶ。
「見える・・?」
「ああ、これはちゃんと見える」
ためしに見えなくなれ、見えなくなれ・・と念じてきた。
すると手の中のシャボン玉の色が薄まった、気がする。
「・・・・あ、見えなくなった!」
「え、ほんと?私はばっちり見えるけど・・」
『力の元であるリタ以外には見えぬようだな』
私だけに見えるシャボン玉・・・。
創造神様が言ってた、私の力が強くなるってこういう事だったのかな?
「凄いじゃないかリタ!こんな応用もできるなんて!これはモンスターにも効くんじゃないか?」
『我もそう思う。一度モンスター退治を経験してみたらどうだ?見えぬシャボン玉で相手を眠らせてしまえば、首を斬り落とす事だって簡単だろう』
「そうだなっ『アニマの森』は低ランクのモンスターしかいない!ためしにどうだリタ!?俺がサポートするから」
『我も手を貸してやるぞ?』
マイムとムゼンさんがとんでもない事を言ってくれた。
何か妙に気が合ってないお二人さん。
仲が良くなったのかいい事だ、うん。
とりあえず、私は大きく息を吸った。
「・・・・・絶対にお断りです!!!!!!」
いくら強くなったと言ってもモンスター退治なんてまっぴらだ!!!
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