054 次は商人ギルドです
冒険者ギルドを後にして、次に向かうのは商人ギルド。
主に冒険者ギルドは武器や防具関連の買い取り、商人ギルドはそれ以外の品(主に魔法石や宝石、魔道具中心)を買い取ってくる。
珍しい品であればあるほど、高く買い取ってくれるのはどちらも共通してる。
「商人ギルドのギルドマスターも、かなり言い値で洞窟の石を買い取ってくれる。こちらもとても良い人だ。ちょっと頭が固いけどな」
「そうなんだ」
「ちなみに、コンスタントと幼馴染だ」
「幼馴染!」
という事は同じくらいの年齢かな?
商人ギルドマスターも村の事情を知ってて、色々助けてくれたらしい。
流石トップになる人は心の広さが違う。
商人ギルドについた。
見た目は冒険者ギルドと比べるとちょっとお洒落。
「こんにちはマイムさん。ギルドマスターに御用ですか?」
「ああ、頼む」
「では少々お待ちくださいね」
上品そうな受付嬢さんが対応してくれた。
あっちの受付嬢さんも優雅な仕草で商人さんと手続きをしてる。
冒険者ギルドとは正反対だ。
「マイム、お前が女性連れとは珍しい事ですね。今夜は雷雨かな?」
「コンスタントと似たような事言わないでくれ」
ギルドマスターの部屋に案内され、入った矢先にデジャブ。
この人が商人ギルドのギルドマスターのジェロームさんか・・。
見た目はコンスタントさんとはこれまた正反対。
すらっとしててびしっとスーツを決めた紳士って格好だ。
でも言ってる事はコンスタントさんと殆ど変わらなくて笑いそうになった。
「はじめましてお嬢さん。私は当ギルドのマスター、ジェロームと申します」
「はじめまして、私はリタ・アンジェーロです」
「ほう・・。するとあのアッシャー・アンジェーロとご関係が?」
「はい。同じ孤児院で育ちました」
「それはそれは・・・・っ。失礼ですがどのようなスキルをお持ちで?」
「えっと・・・」
「ジェローム、リタは慣れない旅で少し疲れている。質問はまた今度にしてくれ」
「おや、それは失礼しました」
マイムがまた助けてくれた。
ありがとうマイム。
「それで、今日は何を?」
「洞窟でようやく石が手に入ったので、査定をお願いしたい」
「何と・・・!では泉が復活したのですか?」
驚いたようにジェロームさんは眼鏡を持ち上げる。
「ああ。詳しい事は話せないが元の美しい泉に戻った」
「それは・・・・良かったですねマイム。心より嬉しく思う」
「ありがとうジェローム」
ジェロームさんの顔は本当に嬉しそうだ。
『ふむ、コンスタントという人間といい、こいつも悪い匂いはしない。人間は権力を手に入れるとそれを振りかざして暴挙に出る愚か者が多いが、こいつらは違うようだな』
ムゼンさんは匂いで人の良し悪しを判別できるみたい。
どういう匂いなのかさっぱり分からないけど。
「正直ここの所、持ち込まれる石の質は落ちる一方で・・。早く泉が復活して洞窟での採掘復活を願っていたのです。さあ早く見せてほしい」
ジェロームさんちょっと興奮してる・・。
ワクワクしてるって感じだ。
私はマイムに促されて、マジックカバンに仕舞った宝石と魔石入りの袋を出した。
「おお、やはり洞窟の石は透明度が違う・・!魔法石もこれほどの大粒は久しぶりです・・!」
「ジェロームは≪品物の鑑定≫というスキルを持っていて、生き物以外の鑑定はお手の門なんだ」
「じゃあまさにここでの仕事は天職ですね!」
「いや全く、私自身もそう思っていますよ。じっくり鑑定したいのですが、時間は大丈夫ですか?」
「冒険者ギルドの方でも明日の朝まで査定をお願いしてる。それに間に合ってくれれば良い」
「分かりました。ではお預かりしましょう」
「よろしく頼む」
商人ギルドを出た後、私はふと気になった。
「ねえマイム。明日の朝っていうけど、今夜はどうするの?」
「宿に泊まる予定だ。安いけど、とても良い宿を知ってるんだ」
「そこってムゼンさんも泊まれるの?」
「大丈夫。従魔連れも可の所だ。ムゼン様のそのお姿だったら料金もかからないだろう」
「良かった」
『従えている獣からも金をとるとは・・お前達の住む世界は金金金だな』
「「・・・・・・・言い返せません・・・・」」
自然の中で自由気ままに暮らしてるムゼンさんからしたら、そう思われるのも仕方ない。
思わず私とマイムさんの声が重なった。
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