048 小さな可愛いキツネさん・・・?
村を出てから三日目。
あれからまたモンスターと遭遇したけど、全部マイムがあっという間に倒しちゃった。
お陰でどんどん売れるものが増えたとマイムは喜んでる。
退治したモンスターはマジックサッカ(見た目は麻袋だけどマジックカバンのように色々と入る)に仕舞う為、荷台が手狭になる事もなかった。
夜はテントを張って就寝。
モンスター除けの魔法ランプは持ってきている。
でも最初の夜はマイムが夜通し見張りをするって言った。
私はマイムだけに任せて、一人グースカ寝るのは気が引けた。
そしたらまた新しいシャボン玉ができた。
「リタ、これは・・・?」
馬車を含めて私達を包み込む大きな大きなシャボン玉。
「モンスターや、野党に襲われても大丈夫な・・とにかく私達を守ってくれる頑丈なシャボン玉を、念じてみたんだけど・・・」
その直後、たき火の光に誘われたのか虫系のモンスターが現れた。
マイムによるとブラッドモスキートという、巨大な蚊のような吸血モンスターで私達の血を狙っているらしかった。
どうやら外側からはこのシャボン玉は見えないようで、針のような口が私達を襲おうとした。
でも。
がきん!
シャボン玉はかなり頑丈だった為、ブラッドモスキートの口は見事にひしゃげてしまって、それにショックを受けたのか泣きながらブラッドモスキートは何処かへ飛んで行った。
「・・・・・・これはもう結界と言ってもいいんじゃないか?」
剣を構えていたマイムの呟きで、私はこのシャボン玉をシールドシャボンと名前を付けた。
お陰で夜はぐっすり眠れる事ができた。
それでもマイムは、剣を持って寝てたけど。
だけどそれは私を守る為だと分かったから、何だか嬉しかったし、マイムの足だけは引っ張らないよう心に決めた。
そして三日目の夕方。
マイムが夕食の準備を始め、私はシールドシャボンを作ろうとした。
がさり・・。
「ん?」
何か草の揺れる音がして振り向く。
「うわあ、可愛い!キツネだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ひょこっと現れたのは小さな白い子ギツネだった。
じ、と子ギツネは逃げる様子もなく私を見上げてた。
「あれ?もしかして、怪我してる?」
よく見ると、後ろの足・・右足が赤かった。
しゃがんで右足を見つめる。
赤い血がじわじわ滲んでた。
「うわぁ痛そう・・・」
「どうしたリタ?」
「マイム。子ギツネが怪我をしてるの」
「子ギツネ?・・・本当だ。親からはぐれたか・・モンスターから逃げてきたのかもしれないな」
「今、治してあげるね」
私はヒーリングシャボンを出そうとした。
子ギツネは全く逃げようとしない。
「ん・・・?」
「リタ?どうかしたのか?」
「何か、この傷・・変・・・」
何故かはよく分かんないけど、何だか・・嫌な感じがする。
前にも、どこかで感じたような・・?
「・・・・あれ?」
いつの間にか私の目の前にシャボン玉ができてた。
でもそれはヒーリングシャボンではなく、浄化の力を持つパージシャボンだった。
間違えちゃったかな・・?
・・・・・だけ、ど。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
私はパージシャボンを、子ギツネの右足に飛ばした。
何となく、これで良いような気がしたから。
・・・・・パチンッ 。
パージシャボンは子ギツネの右足に触れて弾けた。
光の粒がきらきらと子ギツネの右足を包み、傷は消え血で赤く染まった毛も真っ白になった。
「治った・・・・。良かった・・・」
ほっと一安心。
子ギツネも自分の右足を見て、驚いた顔をした気がした。
そしたら予想もしていない事が起きた。
『よもやこの呪いを解く者がいたとは・・・感謝するぞ人の子よ』
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