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045 宝石類を売りに行く事になりました




「そうか。洞窟の中は何の影響もなかったか」

「はい父さん。石の状態も前と変わりません」


マイムは採掘してきた宝石や魔石を村長(むらおさ)さんに見せに行った。

大事なお話をするみたい。

私はレイニーちゃんがリバーさんの病院にいると聞いて、そっちに向かった。


「あ、お姉ちゃん!」

「おかえりなさい」


二人は何やら作業をしていた。

よくよく見ると、泉の底に咲いていた花をすりつぶしているようだった。


「その花、泉の中に咲いていた花ですよね」

「ええ。これは清らかな水の中にしか咲かないスプラン草という薬草なんですよ。とても強い回復効果を持っていて上級ポーションの材料にもなるんです」

「そんな凄い花だったんですねっ」

「リタさんのお陰で、ようやく薬を調合する事ができます。ありがとうございます」

「これで街まで行って、高い薬を買わずに済むね!」


そっか。

『レクイエムの泉』は薬を作るのにも必要不可欠なんだ。


「私も何か手伝いましょうか?」

「いえいえ、恩人にそんな事させる訳には!」

「私やる事ないですし、もし邪魔じゃなければ何かやらせてください」

「そうですか?実は正直言うと、薬草が沢山採れたのは良いんですけど人手不足で・・。それじゃあ・・こちらの薬草と薬草を一緒にすり鉢で混ぜてください」

「了解っ」





その夜、マイムさんの美味しい夕ご飯に私は夢心地だった。

ああ美味しいっああ幸せ!


「お兄ちゃん、トーラスト王国へ行くの?」

「『星の洞窟』でようやく宝石や魔石が手に入ったからな」

「トーラスト王国?」


そこはマイム達がよく宝石類を売りに行っていた王国で、『アニマの森』から馬車で一週間ほどの距離があるとか。


「非常に栄えた王国で、色んな店が沢山あるんだ」

「一週間かぁ。遠いね。≪転移魔法≫のスキルを持つ人の力を借りてささーっと行っちゃうの?」

「いや、途中でモンスターを狩りながら行くつもりだ。少しでもギルドで金にしてもらう」

「そっか。トーラスト王国かぁ・・・。どんな国なんだろ・・」

「そういえばリタ殿は元々大きな街へ行く予定でしたな」


村長(むらおさ)さんの言う通り、私はバレーヌ王国へ行くつもりだった。

まさかスライム族の村へ来る事になるとは思わなかったけど。

人生って何が起こるか分からないや。


「なら、リタもトーラスト王国へ行くか?」

「え?」

「そこはリタが向かう予定だったバレーヌ王国よりも大きな国だ。モンスター除けの魔道具も国中に設置されていて、安全な場所だ。リタも気に入るかもしれない」

「お兄ちゃん・・・」


トーラスト王国か・・。

栄えてる国なら働き口がいくつか見つかるかもしれない。


「旅の間は俺が必ず守る」

「マイムはこの村で私の次に腕が立つ。心配はいらないぞ」


モンスターは怖いけど・・リバーさんもマイムは強いみたいな事言ってたし、私も・・マイムになら安心して身を任せられるかも。


「・・・・じゃあ、お願いしてもいいかな?」


出発は一週間分の荷物の準備がある為、二日後になった。





「お兄ちゃん、本当に良いの?お姉ちゃんを王国に連れて行って」


かちゃかちゃと夕食の後片付けをするレイニーがじと目でマイムを見た。


「お姉ちゃんが王国で住む事を決めたら中々会えなくなっちゃうよ」

「それは、・・・・それはリタが決める事だ。俺達が口出しして良い問題じゃない」

「・・・・・・・・・・・お兄ちゃんのいくじなし」

「んなっ・・・・何を言ってるんだお前は!」

「ふーんだっ」


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