044 沢山の宝石に目がちかちかしそうです
スライム族の村の収入源は、主にこの洞窟から採掘できる宝石と魔法石だった。
純度の高さからそれなりの金額で売れるらしく、お陰で村は豊かな暮らしができていた。
でも泉が汚染されてからこの洞窟に来る事もできなくなってしまい、収入源が途絶えてしまった。
「村を捨てて新しい場所へ行く案もあったが・・俺達はどうしてもそれができなかった。先祖の代から守り続けてきた泉を、あの地を離れるなんて考えられなかった」
「本当に今まで大変だったんだね・・」
「でもリタのお陰で、泉は復活し再びこの洞窟へ来る事ができた!リタは本当に、俺達の大恩人だ」
「私も、自分の力が誰かの役に立つ事ができるって分かったからマイム達に会えてよかったよ」
お互いにふふっと笑い合う。
何だか昨夜からお互い感謝しっぱなし。
マイムは慎重に岩を掘って、宝石を採掘して地面に広げた布の上に置いた。
私はする事がないので、それを見てるだけ。
石の採掘現場は初めて見るけど、結構面白かった。
掘れば掘るだけ宝石が出てくるんだもん。
でも取りすぎは良くないっていう、ご先祖様からの教えで洞窟へは最低3人までで、1日1回しか来ちゃいけないんだって。
「リタ、欲しい宝石や魔法石があったら遠慮なく言ってくれ。まだ村を救ってくれた礼をしていないしな」
「ええええ!そんな、いいよっ」
「遠慮する事はない。父さんも了承してる」
「い、いつの間にそんな話を・・」
まあ私も女だからキラキラ光る宝石は好きだよ、綺麗だし。
でも村にとってはお金の元になる大事なものなのに、遠慮はいらないって・・。
「リタからは報奨金も貰った。だからこれくらいはしないと俺達の気が収まらない。さあ、好きなのを選んでくれ」
「え、選んでくれって・・」
どうしよう。
私は布の上に並ぶ宝石を見渡した。
どれも綺麗だけど、私には派手だ・・。
デブに宝石は似つかわしくないだろう。
やっぱり謹んで遠慮しようとした時、視界の端に気になる石を見つけた。
薄い白の、透明な石だった。
これも宝石なんだろうか?
思わず私はそれを手に取った。
「ムーンストーンか」
「ムーンストーン?」
「月の光を閉じ込めた石と呼ばれてる。危険から身を守る力があってアミュレットとして使用される事が多い石だ」
「アミュレット・・お守りだね」
月の光を・・・。
確かに月のように淡い色だ。
いいなぁ、この石
何か、凄く気に入っちゃった。
「じゃあ・・これ、貰っても良い?」
「勿論だ。他のは良いのか?」
「これで十分だよ」
私の身を守ってくれるなら、十分すぎるくらいだしね!
私はムーンストーンをぎゅっと握りしめた。
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