042 泉の中はどこも綺麗だった
「あーあ。私もお姉ちゃんと行きたかったなぁ」
「レイニーはここでリバーの手伝いだ」
「もし洞窟に毒の影響があったら大変ですからね」
ぶーたれるレイニーちゃんを宥めるリバーさん。
クリスタルさんは私に昨日使ったマスクを渡してくれた。
「貴方の力に頼ってばかりで申し訳ないけど、もし本当に洞窟に毒の影響があったら・・」
本当に申し訳ないって表情のクリスタルさんに、私はシャボン玉の中からマスクを受け取って任せてくださいって自分の胸を叩いた。
「その時は泉の時と同じように浄化のシャボン玉を使ってみます!どうなってるか分からないから、100%の保証はできませんけど・・・」
「そう言ってもらえるだけで嬉しいわ。お願いねリタさん」
私とマイムは皆に見送られて、泉の中に潜った。
スライム体のマイムを見失わないように気を付けなくちゃ・・!
「マイム、リタさんの事呼び捨てにしてたわね・・」
「リタさんも、マイムに対して砕けた口調になってて・・・何だか随分と仲が良くなったみたいだ」
「・・・・・・・・そうね」
「クリスタル・・・・」
寂しそうなクリスタル。
その横顔に、リバーは何も言えず、ただもどかしい気持ちだけが残った。
「ふわぁ~・・・・・」
スライム体のマイムの後を追いながらシャボン玉で泉の中を移動する。
その最中、私は感銘の声しか出してなかった。
いや、出せなかった。
だってあまりにも綺麗で、まるで物語の世界のようだったから。
この泉には魚や生き物はいない。
だけど、花は沢山咲いていた。
白い岩も彼方此方にある。
この岩が『祈りの場』の橋の材料になったのかな?
奥に潜っていくと、草原のような草が生えてて、そこを抜けると更に驚きの光景があった。
何と水の中に木が生えていた!
泉の底に森がある。
日の光はここまで差し込んでて、木々の緑を艶やかに照らしてた。
改めて『レクイエムの泉』がどれだけ凄い泉で神聖なものだったのか理解した。
「リタ、こっちだ」
マイムは森の木の中で一番大きな木の前にいた。
木の根元に穴がある。
「この穴の向こうに洞窟がある。暗いから気を付けろ」
そう言うとマイムは、にゅるんっと体からランプを出した!
び、びっくりした!!
「い、今、体からランプ出したけど・・」
「?ああ、そうか。人間はできないんだったな。俺達スライム族は体の中に物を取り込む事ができるんだ。ちょうどお前の持ってるマジックカバンみたいにな」
何もかも取り込めるわけではないが、とマイムはランプの明かりを灯した。
べ、便利な体なんだねスライム族って・・。
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