041 このシャボン玉、かなり有能
大きな大きなシャボン玉。
それが私一人は余裕に入れる大きさで・・・。
「・・・・・・・・・(ごくん)」
私はそのシャボン玉に手を伸ばす。
とぷん、とシャボン玉の表面に波紋が広がってシャボン玉の中に手が入った。
シャボン玉の中の手を動かしてみる。
自由に動く。
意を決して、私はシャボン玉の中に飛び込んだ。
「・・・・・・・・・あ・・・」
シャボン玉の中は外とまるで変らなかった。
空気もある。
シャボン玉越しの視界もはっきり周りを見渡せる。
「リタ、大丈夫か?」
「うん。声もちゃんと聞こえるよ。そっちは私の声聞こえる?」
「ばっちりだよお姉ちゃん!」
「まさかシャボン玉の中に入っちゃうなんて・・」
クリスタルさんがシャボン玉を突く。
弾力でクリスタルさんの指を弾くだけで、シャボン玉は割れる気配は全くなかった。
「頑丈みたいだな・・。これなら水の中に入れるんじゃないか?」
「うん、そう念じて作ったから多分いけると思う」
「村長」
「うむ」
村長さんの許可が出て、私はためしに浅めの所から泉に入ってみた。
シャボン玉は私の意思に従ってふわん、と浮かぶ。
「おお~~~」
レイニーちゃんが歓声の声を上げる。
ちゃぷり、とシャボン玉は私が入ってる状態で泉の上に浮かんだ。
そのまま前に進んでみたり、左右に移動したり。
シャボン玉は私の思った通りに動いた。
「リタ、どんな具合だ?」
「シャボン玉は自由に動いてくれるよ。割れる気配も全然ないし」
いよいよシャボン玉に入ったまま、泉に潜ってみる事にした。
シャボン玉はゆっくり泉の中に沈んでく。
思わず私は目を閉じて息を止めた。
こぽこぽこぽ。
水の音が聞こえる。
閉じていた目を開けると、目の前に広がる光景に私は声が出なかった。
太陽の光が差し込んで、どこまでも透き通った青い泉の中。
差し込んだ光はまるで風に揺れるカーテンのように揺らめいている。
「綺麗・・・・・」
とぽんっと泉に飛び込む音が聞こえた。
スライムだ。
スライム族の誰かが心配してきてくれたんだろうか?
どうしよう。
スライム体だと区別が・・・・。
「リタ」
その声はマイム!
「リタ、平気か?呼吸はできているか?」
「ばっちり!シャボン玉もほらこのとおりだよ」
「そうか。やはり凄いな、リタのシャボン玉は」
こうして私は『星の洞窟』へ行く事が許された。
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