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033 水神様からの『祝福』


水のように透き通った長い髪の水神様。

『祈りの場』の像とそっくりだ。


「はじめましてリタ・・。あの泉を元の美しい泉に戻してくれてありがとう。水の神として心からお礼を申し上げます」

「やっぱり水神様・・っ」

「あの泉はこの子が水の神として貴方の住む世界に降り立った時、初めて生み出した泉なの。だからこの子にとってあの泉は思い入れがあるのよ」

「そんな凄い泉だったんですか!!?」


凄い・・・そんな事実が隠されてたなんて・・。


そんなとんでもない話をさらりと話しちゃう創造神様も凄いけど!

流石(?)は創造神様だ・・。


「今となっては誰も知らぬ事・・。ですがあの地に住むスライム族の先祖達はわたくしを崇め『祈りの場』を作りました。その信仰心は何百年、何千年たとうとも変わっていない・・。本当に嬉しい事です。貴方はそんな彼らの心も救ってくれた」

「と、とんでもないですっ私は特別なシャボン玉が作れたから・・ただそれだけで・・」

「どんな力でもどんなスキルでも使い方を誤れば破滅と混乱を招きます。貴方は良き方向に力を使ってくれた・・それは称賛に値します」

「水神様・・・」


水神様の清らかな、綺麗な声が私を褒めてくれる。

それはまるで、『祈りの場』で耳にした水の流れる音のような澄んだ声だ。

すごく、落ち着く・・。


「もったいない、お言葉です」


私は膝をついて頭を下げる。


「顔を上げてリタ。水の神は貴方に贈り物をしたいそうよ」

「おくり、もの?」


水神様は優しく微笑んで、膝をつく私と目線を合わせるようにしゃがんだ。



「リタ・アンジェーロ。貴方に、水の神から『祝福』を差し上げます」


ちゅっ。


水神様が私の額に小さなキスをした。

驚いたけど、体の奥から何だか力が湧いてくるのを感じた。


「な、何?」


同時に何かに包まれる感覚がした。

それは柔らかい、水のベールに包まれてるような・・・。


「水の神からの『祝福』によって、貴方のシャボン玉は更なる力を持つわ」

「“水”は常に貴方の味方です。貴方の未来に幸多からん事を・・・。アッシャーに会ったらよろしくと伝えてください」

「アッシャー、さん?」






「──ちゃん、お姉ちゃんっ」

「っ!」


はっと呼ばれてる事に気づいた。


「どうしたの?」

「大丈夫かリタさん?」


そこは『祈りの場』だった。

レイニーちゃん達が心配そうに私を見てる。

私は祈りの体制のままだった。


「あ、あれ?」

「お祈りの時間は終わったよお姉ちゃん」

「何度呼んでも返事がなかったが・・どこか具合でも悪いのか?」

「う、ううんっ大丈夫」


今見てたのは、夢?

・・・・・・・・・・・・いや、夢じゃない。

『祝福』を貰った瞬間の、あの感覚ははっきりと覚えてるもの。


「何か、水神様に祈りをささげるのに集中しすぎて周りの音が聞こえなくなってたみたい」

「ほお、それは感心な事だ。水神様もお喜びになっているだろう」

「お姉ちゃんのお祈り、きっと水神様に届いてるよっ」

「うん・・そうだね」


水神様の像を見上げる。

その顔は最初に見た時より微笑んでる気がした。


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