031 袋一杯の金貨に腰が抜けそうになった
「マイム様、盗賊団を引き渡しに行った者達が戻ってこられました」
「そうか、こっちに通してくれ」
「分かりました」
3人で他愛のない話をしていた時だ。
自警団にあの盗賊団を連れて行った人達が村に帰ってきたという知らせを聞いて、マイムさんは何故はこの部屋に連れて来るよう命令した。
どうしてかなーとただ成り行きを見ていたのだけど・・・。
どさっ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「自警団から貰った報奨金だ」
リタ・アンジェーロ、15歳。
こんな袋一杯の金貨、見た事ありません!!!
それを目の前に置いたりして・・どうしろと?
「この金は貴方が受け取るべきだ」
「・・・・・・・うえええええ?!?!?」
マイムさん、貴方一体何を言いだすのですか!?
「盗賊団は貴方が眠らせたお陰で全員捕まえる事ができた。お陰で俺達も負傷者を出さずに済んだ。だからこの報奨金は貴方のものだ」
マイムさんも報奨金を持ってきた二人も当然だといわんばかりの顔だけど・・。
こ、これいくらくらいあるの?
どう見ても、10枚20枚の数じゃないよ・・・・。
「せ、折角だけど・・辞退します・・・」
「何故だ?リタさんは街に働きに行くんだろ?なら金はあった方が良いんじゃないか?」
確かに国を出て働きに行く話はしたけど・・。
これだけあればしばらく余裕だろうけど・・。
でも、でも!!!!
「とてもじゃないけど・・こんな大金持って歩く勇気ないのです・・・・」
しん、と静まる室内。
ぷっとマイムさんが噴き出すと、他の皆さんも笑った。
何だろう、スキルを授かってからよく笑われるようになった気がする。
「す、すまない・・。だがこの報奨金はやはり貴方が受け取るべきだ。その資格が貴方にはある」
「差し出がましいようですが、俺達もそう思います」
「遠慮する事ないよお姉ちゃん」
「えー・・・・」
・・・・・・・・・そうだ、いい事思いついた!
「・・・じゃあこのお金、受け取りますね」
私は金貨の詰まった袋を持った。
うっおも!
「はいっ。今ここでこのお金は私のものになりました。つまりこのお金は私の自由にして良いという事ですよね?」
『?』
「ねっ皆さん」
「あ、ああ」
「勿論です」
「う、うん」
私の発言に首を傾ける皆さん。
でも全員ちゃーんと頷いた。
よし!同意したの確認したぞ!
「じゃあこのお金、この村に差し上げます!はい、では代表者としてマイムさんに」
「!??」
「お姉ちゃん!?」
私はにっこり笑って、お金をマイムさんに差し出した。
思わずそれを受け取っちゃったマイムさん。
「あ、返品不可なんで」
「り、リタさん!何をっ」
「やだなー。さっき聞いたじゃないですかー。報奨金は私の自由にして良いって」
「し、しかしこれは貴方の」
「いやいや何言ってるんですか?それはもうこの村のお金ですよ。それに、村の為に報奨金が必要だったんでしょう?」
「え・・・」
「実はこの人達が盗賊団を連れて行く時、そんな会話してたの聞こえちゃってて・・」
「お前ら・・・」
じとっと睨むマイムさんにビビる二人。
「私の事は気にしないでください。お金なら院長先生からのお餞別で多少は懐があったかいので!」
どんっと私は胸を叩く。
「そんな沢山のお金、私一人が使うにはもったいなさすぎです!この村の為に有効に使ってくださいっそれにそんな大金持ち歩いて、不良にバレでもしたら・・・想像しただけでも恐ろしいし!」
路地裏に連れ込まれ、オラオラと金品をせびられるのを想像して、思わず身震いする私。
「そういう訳なんで何なら私を守る意味でもそのお金、是非とも使ってください!!」
「リタさん・・・・」
マイムさんはしばらく悩んだ顔をした。
でも。
「・・・・・・・・・・・・本当に、良いのか?」
「勿論っ。私の為を思うならむしろ貰ってくれないと困りますっ」
「・・・・・・・・・そうか、貴方を守るため、か」
「そうですそうです!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがたく、受け取らせてもらおう」
ああ良かった!
私みたいな庶民に、あんな大金は宝の持ち腐れだよ・・・。
私は、毎日ご飯を食べれるだけの生活が送れればいいのですっ。
「(施しを受けるつもりはなかったが・・・まさか身を守る為に金を受け取ってくれなんて言う子がいたなんて・・・面白いなリタさんは)」
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