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029 リタ、超歓迎される



『レクイエムの泉』は元の綺麗な泉に戻った。

村長(むらおさ)さんから村の皆に高らかに発表した。


「泉を復活させたのはここにおられるリタ殿だ。リタ殿は病気の子供達を救ってくれただけでなく村も救ってくださった!我らの恩人だ!」


村中の皆が私に一点集中する。

な、何か春のお祭りで孤児院の皆でダンスを披露した時の事を思い出す。

緊張して踊れなかったんだよな私・・。

幸いにも皆は綺麗に踊るアンジェリカを見てて、私の事は誰も気に留めてなかったけど。


「しかもリタ殿はあのアッシャー・アンジェーロ様と同じ孤児院育ちの方だ!皆、我らが恩人に決して無礼な真似はせぬようにっ」

「何と!」

「アッシャー様と同じ院のっ」

「それは凄い!」

「そんなお方が我らの村を救ってくださったとは・・!」

「水神様の思し召しだわっ」

「そうだっそうに違いない!」


何か、凄い事になってきた。


「今宵は恩人の為に歓迎の宴を開こう!すぐに宴の準備に取り掛かれ!」

『はいっ!!!』


村長(むらおさ)さんの号令で、村の人達は忙しく動き回った。


「あ、あの・・宴なんて大げさじゃ・・」

「遠慮しないでリタさん。貴方には本当に感謝してるのだから。これくらいはしないと罰が当たるわ」


貴方はゆっくりしてて、とクリスタルさんに椅子に座らされる。

立派な部屋でちょっと落ち着かない。


「それじゃあアタシは狩りに行ってくるわ!大きなお肉をどうか期待してて!」


クリスタルさんはそう言って部屋を出た。

狩り・・・。

モンスターを仕留めに行ったのか。

大きなお肉・・・・・じゅるり。

あ、いけないいけない涎が。


「お姉ちゃんっ」

「レイニーちゃんっ。マイムさんも」


涎を拭いたところでレイニーちゃんとマイムさんが部屋に来た。

良かった、涎たらしてるとこ見られなくて。


「木の実採ってきたよ」

「宴にはまだ時間があるからな」


レイニーちゃんが持ってた籠には美味しそうなアープル(リンゴそっくりの果物)が4個もあった。

わーいっちょうどお腹すいてたんだ!



シャクッシャクシャクシャク。


「ん~~!美味しいっ!!!」


口の中に広がる甘酸っぱい蜜の味がたまらない。

アープルパイやジャムも大好きだけど、果物はそのままでも美味しいから素晴らしい。


「・・・・・(じー)」


レイニーちゃんが私を見つめる。

どうしたんだろ?

あ、そうかそうか。


「レイニーちゃんも一緒に食べよ」


私は籠のアープルを一個レイニーちゃんに差し出す。


「良いの?」

「良いも何も、レイニーちゃんとマイムさんが採ってきてくれた物だし。マイムさんも一緒にどうぞ」

「いや、俺は」

「あっもしかして果物嫌いでした?」


だとしたら進めたりして悪い事したな。


「お兄ちゃんは甘いもの大好きだよ!お菓子も果物も!」

「っおいレイニー!」

「あはっ私と一緒ですね!私も甘いもの大好きです」

「っ」


何だ仲間だ。

甘いものって良いよね~。

でもマイムさんの顔がちょっと赤くなった。

恥ずかしいのかな?

そういえば、私と同年代の男子は甘いものなんて女子供の食べるものっとか変な事言ってたっけ。

別に甘いものに性別関係ないと思うけどなー。


「美味しいものは皆で食べるともっと美味しくなりますよ。一緒に食べましょう」


私はマイムさんにもアープルを差し出した。

マイムさんはちょっと悩んだけど、受け取ってくれた。

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